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「勉強してたの?偉いね」
「23時59分までの課題を56分に出したよ……」
「俺も。55?とか」
労ってくれる涼くんにふたりで答えると後ろから酔っぱらいの「ひかるはわかるけどりょーへーがそこまで溜めるのめずらしいね〜!」って野次が飛んできた。
うるさい。
なんだかんだ溺愛してる翔くんが「三つ子起きるだろ」って頭を殴った(笑)
「兄貴と翔太も飲むでしょ?」
「いる〜!さんきゅー」
「飲む」
「照と亮平も飲んでみる?ホットワイン」
「なにそれ、うまそう」
ワインは何回か飲んだけど。
涼くんがさっきから鍋をコトコト言わせていたのはホットワインとやらを作っていたらしい。
一瞬だけ亮平と目を見合わせる。
別にやましいことは何にもないけど、ちょっとだけ悪いことしてる気になったから(笑)
「はい、どーぞ」
「ありがと」
「後から来るから飲みすぎんなよ。……まぁふたりとも強いみたいだし大丈夫か(笑)」
「おれぇ〜?」
「お前は激弱!もう終わり!」
もうでろんでろんな大にぃは涼くんに無理やり水を飲まされて顔を顰めている。
ぽかぽかあたたかいカップをそうっと傾けるとピリッとしたスパイシーな香りが鼻腔に広がった。
なにこれ、めっちゃうまいかも。
「どう?お気に召した?」
「うん、めっちゃ美味い」
「俺も好き。普通のより飲みやすいかも」
「そりゃ良かった」
「美味くないのは美味くないからな、涼太のが美味いだけだから」
「どの立ち位置?」
なぜか誰よりもドヤってる翔くんとそれに笑っている兄貴もそれぞれ青と紫のマグカップを傾けていて、おれものむ〜と駄々をこねる大にぃはおあずけをくらっている(笑)
ふわりと香る甘いリンゴの香りに、疲れが染み出ていくような心地がした。
時刻はもうすぐ1時。
おとなだけの静かな空間は、月とお兄ちゃんたちだけの秘密ごと。
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s - このお話が大好きなのですがまたこのお話を再開する予定はありますでしょうか?先ほども言ったようにこのお話が大好きなのでまた書いてくださったらいいなと思いコメントをさせていただきました。ご検討のほどよろしくお願いします (9月13日 22時) (レス) @page29 id: 3bb6fa2af0 (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - Cyamuさん» (続) 読み手の皆様に想像しながら楽しんでいただけたらいいな、と想っております。わかりにくさはこちらの力不足ですね…💦検討してみます! (2022年1月8日 13時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - Cyamuさん» お読みいただきありがとうございます🙇♀️本作ではお話の途中で誰視点かは確実にわかるような構成を心がけており(名乗らせる、兄弟の名前を呼ばせるなど)あえて視点先を書かないことで、 (2022年1月8日 13時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
Cyamu(プロフ) - 作品に口を挟む形になって申し訳ないのですが、誰seedか付けていただけると誰目線なのか分かりやすくなると思います💦凄いいい作品で表現が素敵なだけに誰目線か分かるとより感情を寄せる事ができるかなとちょっともったいなく思ってしまいました。 (2022年1月8日 13時) (レス) @page38 id: 6e8ef04be9 (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - あさかさん» あさか様、以前にもコメントをくださったんですね…!いつもお付き合い頂き本当にありがとうございます🙇♀️ (2021年12月19日 21時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森乃 | 作成日時:2021年12月2日 22時