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Aside
そこで藤井くんが言葉を止めた。
「ん？課長と…？…あ、変なこと考えてるっ？違うからね！」
藤「へぇ〜、」
「その疑った目やめてよ…」
藤「ん〜いや？淳太やるなぁ、出張先で女性の部下と」
「だから違うって！……その、今日、誕生日でね」
藤「え？Aさんの？」
「そう、それでお祝いにバーでご馳走してくれたの」
藤「そうやったんや…」
少し沈黙があって、藤井くんは本来の目的を思い出したようで、
フロント行かな、とそこで別れた。
部屋に入ってすぐシャワーを浴びた。
ふぅ〜、移動もあったから疲れたな〜。
備え付けのシャツワンピのようなパジャマを着て、髪の毛を乾かし終わったタイミングで
インターホンが鳴った。…誰だろう。課長か藤井くんだろうけど…
ドア越しに返事をすると、藤井です、と聞こえた。
もうスッピンだからドア開けたくないんだけどな…
「どうしたの？」
藤「時間ないからっ、開けてほしい！」
ちょっと切羽詰まった声に、何かあったのかと思って仕方なくドアを開けた。
すると藤井くんがコンビニの袋を２つぶら下げて立っていた。
ネクタイなしで腕まくりしたワイシャツ、首元のボタンは外されていて、下はスーツのズボンというスタイルはさっき出くわしたときから変わっていない。
藤「日付変わる5分前。セーフ。誕生日おめでとう。…俺も祝いたいんやけど」
「え、嬉しい、わざわざありがとう…」
ちょっとだけええ？と言いながら私の部屋に入ってきた。
藤「ごめんな、寝ようとしてた？せっかく近くにいるなら、当日祝いたいなって…」
それで急いでくれたのかな、ちょっと息が上がっている藤井くん。
「ううん、でもラインでメッセージとか気持ちだけでよかったのに。」
藤「や、課長がホテルのバーで祝った後に俺コンビニの酒とか格好付かんから明日の夜に改めて祝わせて？笑」
「充分嬉しいよ？…さっき、気を遣わせちゃいそうでお祝いしてもらったって言いにくかったの…
最初から誘えばよかったね」
藤「いやええよ、せっかくやから俺も2人で祝いたいし」
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作者名：あおゆ
| 作成日時：2020年5月31日 21時
