第二十篇 疾走る ページ20
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『首領、只今戻りました』
扉を開けて、首領室に踏み込む。
「やぁやぁ徳富君。此の間は奇襲で治療が大変だっただろう、お疲れ様」
『……有難う、ございます』
徳富は眉を顰めた。
首領の機嫌が妙に善い。
何故か胸の中に厭な予感が渦巻く。
少し震える手を握り締めながら、徳富は森に問い掛けた。
『……何か、善い事でもありましたか?』
「ふふ、よく判ったね」
森は机の上に黒い封筒を置き、愛おしそうに撫でた。
徳富は目を見開く。
『そ、れって……』
「嗚呼」
『如何やって……』
「なぁに。簡単な事さ、一寸情報を渡したんだ。
安吾君達にね」
徳富は頭を目紛るしく回転させて考えた。
情報……
異能特務課に渡した、情報……?
首領は安吾の正体を知っていた。
その上で、織田作に安吾の捜索を頼んだ……
安吾に渡す情報は即ち、ミミックに渡す情報でもある。
ジイドが欲しい情報。
…………織田作に殺意を持たせる事のできる、何か。
『真逆っ……!!』
徳富は首領室から出て、走る。
行先は、
織田作の好きな洋食店〈フリイダム〉。
手足が千切れそうな程動かして、歩道橋を駆け抜けた。
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こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» 仕方ねぇ続けるべ☆いぇい☆ (2022年12月22日 14時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» 辞めたら………いやなんもしないけどほら。私はさ。プリ小説やってるし?私の思いもこめさんに継いでもらうって決めてたし((((((((殴 (2022年12月22日 14時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» うぅ〜……私も最近占ツクしんどくなってきたし辞めちゃおっかな… (2022年12月21日 3時) (レス) id: 3c5b67e3ca (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» まじだよ (2022年12月20日 18時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» マジかよ…… (2022年12月20日 11時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こめこめコメダ | 作成日時:2022年11月5日 19時