第十一話ｰ主人公過去ｰ ページ12
「あ、あの…」
ロー「…好きにしろ、俺は馴れ合うつもりはない」
「で、ですよね、あは…はは…」
ロー「…」
「あ、あの…」
ロー「なんだ」
「私、ロー様の迷惑になるのは嫌なので、一人で行動してます」
ロー「…そうか」
「はい」
気まずい空気を断ち切るかのようにロー様と距離を置いた
なんて会話の続かなさなんだ…中の人はすごい気さくなはずなのに…
とりあえずお金はもらってあるから何かするには不便さなさそうだけど、何かやるにしてもどこか居心地が悪い
逃げるように森へはいる、暫くすると海が綺麗に見える崖に辿り着いた
走ってどっと疲れてしまい、思わず座り込んだ
”俺はお前と馴れ合うつもりはない”
「っはぁ…はぁ…あんまり拒否されるとしんどいなぁ…」
ロー様自身は大したこと言ってないつもりだろうけど、何故かその言葉は鋭利に感じてしまい、胸が苦しくなるのを感じた
この苦しい感覚が、ふと昔の事を思い出させる
ｰｰｰｰｰｰｰ
父「なんなんだこの点数は」
母「また平均点？どうしてもっと頑張れないのよ」
「……ごめんなさい」
努力しても中々結果が出ず親から呆れられた顔をされる
父「どれをとっても全部平均じゃないか、もっと長けた物はないのか？」
母「顔だって普通だしねぇ、そんなんじゃいつまで経っても彼氏すら出来ないんじゃない？」
段々と勉強だけでなく容姿や中身も卑下されていくようになった
私は、何をやっても平均的な結果しか出さない。極めてつまらない出来損ないだった
父は仕事ができ、みんなから慕われている人格者
母は多趣味で色んなことを器用にやってみせる美人
母「お兄ちゃんは出来るのにねぇ」
「っ……」
そして説教の常套句
”お兄ちゃんは出来るのに”
私には兄がいる
私のコンプレックスの象徴とも言える
父と母のいい所を全て受け継いだ、デキる兄が
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作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月6日 17時
