_ 15 ページ15
見慣れた表通りから一本裏手、路地裏と呼ばれる其処は、何時も歩いているところから近い筈なのに、全然違う世界だった。
床や壁には見慣れない血。
__ ドラマでしか見たことなかったなぁ。
さっきすれ違ったサングラスの人の匂い。
__ 昔中也に見せてもらった火薬の匂いがした。
此処では命なんて、すぐに無価値なものになってしまう事が目に見えてわかる。
改めてAは、自分の夫が大変な仕事をしているんだと再確認した。
「 あ、あの建物、かな。 」
路地裏を歩いて数十分、やっと大きな建物が見えてきた。
入口の前に立ち塞がる黒服。 セキュリティ的にも此処が一番怪しい。
「 さて此処からどうするか。 」
Aは一切アポを取っていない。
つまりただの一般人だ。
そんな一般人をみすみす中に通してくれるだろうか。
「 あー、いっその事透明人間になる異能力が欲しい。 」
然し此処まで来たのだから簡単には引き帰れない。
暫くしゃがんで居たものの、覚悟を決めて黒服の前に向かおうとその重たい足を向けた。
「 中原中也の妻って云ったら通してくれるだろうか …
いやあんな黒服さんにまでそんなこと伝わっていだろうし… と、とりあえず事情を話せば… !! 」
そうぶつぶつと呟く姿が目撃されたとかされなかったとか。
344人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まりな - 面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年1月27日 11時) (レス) id: 432d65a945 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸水素なとりうむ(プロフ) - 凄く続きが気になります!!更新ファイトです! (2017年12月24日 2時) (レス) id: aeb5ce3320 (このIDを非表示/違反報告)
毛糸 - 第一次反抗期戦争の方からきました!! とても面白かったです!!これからも更新頑張ってください!( ´∀`) (2017年12月9日 19時) (レス) id: 1ec397df0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カスミ | 作成日時:2017年12月7日 19時