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時刻は未だ8時を指している。
洗い物も洗濯も、ベッドシーツも変えて、主婦としての一応の仕事はこなした。
「 暇だなぁ… 」
中也はAに変な虫が付いてはいけないから、と必要に外に出さない。
その為つまらなくならないようにと本を大量に置いているのだが、読書家のAにとってはそんなものすぐに読み終わってしまうものだ。
こう云う時に読書以外の趣味を持っていれば、と後悔するのはもう何度目か。
「 はぁ… 」
疲れた、と云いたいのか、それとも退屈だ、と訴えたいのか。
そんな意味を込めた溜め息は毎日、この時間に何時ものように出てしまう。
愛しの旦那に電話でもしようか、なんてもう何回も考えたことだが相手は幹部。
元一般市民のAでも判る位忙しい身である彼にそう容易く電話など、迷惑なだけであろう。
ともなれば後に出てくる案は一つ。
「 んー… ちょっと早いけど、スーパー行っちゃおうかな… 」
お散歩も兼ねて、と心の中で笑ったAは善は急げとそそくさと準備を始めた。
エコバック、財布、携帯。
簡単な荷物だけを持って、Aは楽しそうに家を出る。
Aはマフィア所属ではないただの主婦。
節約はとても大事な事だとしみじみ思うのか、セールの確認は必ず怠らない。
勿論エコバックはもしもの時の為、2個常備だ。
「 今日の夕飯、どうしようかな 」
呟いた空は、怪しく雲を揺らしていた。
Aは昼から雨だ、と天気予報士が云っていたことを思い出し、 「 はぁ… 」 と溜め息を付いては後悔に胃を痛めた。
「 ( 帰って雨に濡れたってバレたらめっちゃ怒られそうだなぁ… ) 」
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まりな - 面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年1月27日 11時) (レス) id: 432d65a945 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸水素なとりうむ(プロフ) - 凄く続きが気になります!!更新ファイトです! (2017年12月24日 2時) (レス) id: aeb5ce3320 (このIDを非表示/違反報告)
毛糸 - 第一次反抗期戦争の方からきました!! とても面白かったです!!これからも更新頑張ってください!( ´∀`) (2017年12月9日 19時) (レス) id: 1ec397df0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カスミ | 作成日時:2017年12月7日 19時