羊が22匹。 ページ22
中「荒覇吐はな、俺だよ」
太「何だって...?」
中也が云った事について、太宰は息を飲んだ。
然し蘭堂は、薄らと笑みを浮かべている。
蘭「薄々そうでは無いかと思っていた」
中「俺の記憶は、人生の途中からしか存在しねェ。衝撃で記憶を失ったアンタとは違う。八年前のあの日以降にしか、人生其の物がねェんだ。それ以前は、闇だ」
中也は俯きながら、蘭堂に過去を話し始めていく。
中「何処だか知らねェ闇の中に、唯浮かんでた。其の空間に誰かの手が封印を破って侵入し、俺を外の世界に引っ張り出した。
その手はアンタだな?
アンタは何処で俺を見つけた?其れを知る為に、俺は此の事件を追った。さあ、全部吐いて貰おうか」
蘭堂は妖しく笑い、中也に向けて云い放った。
蘭「無論教えるとも。君には、其れを知る権利がある」
蘭堂の掌から、黄色く半透明の物体が光った。
その立方体は、中也に向けて放たれる。
中「うお...っ!!」
中也は防御の為に異能を展開するも、中也は後方へ飛ばされた。
太「何故重力で防御出来ない...?」
蘭「私の亜空間は弾丸と違い、物理的法則の影響を受けない。更に其の空間は通常空間から隔絶された異世界でもある」
蘭堂の手から、先程の物体に似た立方体が零れ落ちた。
それは太宰とA、そして建物ごと覆う。
『...とじこめられた...?』
太「大丈夫だよ、A。僕から離れないでね」
『...うん』
太宰はAを不安にさせないように、彼女の手を握った。
優しく、それでも強く。
蘭「そして、私が招かぬ限り入ることは愚か、出る事も出来ない」
太「僕を避けて異世界を展開している。僕の異能を知っているのか...?」
中「だぁあああ!!」
暫くすると、中也の叫び声が聞こえた。
直ぐ近くには、中也の姿が。
蘭「今ので死なぬとは、流石荒覇吐の化身」
中也は蘭堂さんへ突っ走った。
中也は蹴りを入れようとするが、蘭堂の異能によって防がれ、反撃される。
蘭「中也くん。此の空間内で君は私に触れる事は出来ないが、私は自由に君を攻撃出来る」
中也は強く攻撃を受け、地面へと落ちていった。
Aは表情は変わらないものの、何だか悔しそうな、怒っているような、そう思っているように見えた。

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水神 夕綺 * Yuki Mizugami(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しいです。がんばります✊🏻 (2月9日 15時) (レス) id: d0f7003ead (このIDを非表示/違反報告)
ひな - この作品大好きなので嬉しいです!これからも頑張ってください! (2月9日 14時) (レス) @page39 id: a377ac9094 (このIDを非表示/違反報告)
水神 夕綺 * Yuki Mizugami(プロフ) - 黒灰白有無%さん» そう言ってもらえてとても嬉しいです🫶🩷更新が遅くなってしまい申し訳ありません。。 (2月8日 22時) (レス) id: d0f7003ead (このIDを非表示/違反報告)
水神 夕綺 * Yuki Mizugami(プロフ) - 自称太中教会隊長さん» えーーんありがとうございます🫣更新遅くなってごめんなさい、、、。 (2月8日 22時) (レス) id: d0f7003ead (このIDを非表示/違反報告)
水神 夕綺 * Yuki Mizugami(プロフ) - どーなつ。さん» ありがとうございますううう。。。本当に遅くなってしまってごめんなさい。。 (2月8日 22時) (レス) id: d0f7003ead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水神 夕綺 * Yuki Mizugami | 作成日時:2022年3月25日 11時