7話 ページ9
満月が天に昇る頃、それは鳴いた
大きく、高らかに、唸るように、鳴いた
私達の前に現れたのは、大きくて真っ白な猫だった
金色の眼を光らせて私達を睨みつけてくる
「…それで？この猫をどうするんだい？」
『勿論、私の中に取り込むさ。真逆此処まででかくなっ────────』
彼女が云いきろうとしたその時、猫が彼女に向けてパンチを食らわせた
「A！！」
勢い良く吹っ飛んだ彼女はコンテナに突っ込んだ
土煙と共に彼女がよろよろと起き上がる
『いきなり猫パンチとは面白いねー……おまけにあの猫私の体力を奪っていったよ………』
口元から溢れた血を拭って笑っていた
「おいお前！！この猫どうするんだ！」
そう叫ぶ国木田君の方を見ると猫が国木田くんと敦くんの方にじりじりと近付いていた
『そのまま猫の気を引き付けておいてくれ。後は私に任せて』
「手立てはあるのかい？」
『勿論……ただ太宰くんに少しお願いしたいことがあるんだ………』
そう云うと彼女はゆっくりと此方を向いて笑った
それは…不敵なものではなく、不安に満ち溢れたような瞳での笑顔だった
『太宰くん……もし私が"化け物"になってしまったそのときには……止めてくれないか……？』
何かに縋るように求める瞳
その言葉に私はこう応えた
「勿論、止めるさ」
彼女は安堵の表情を浮かべると『有難う』と感謝の意を述べた
『太宰くんが"友達"で私は幸せ者だな』
そう云うと彼女はパーカーのフードを被り、息を整えて自身の異能を発動させた
『異能力────化物語』
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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです！楽しみにしています！！ (2020年4月6日 2時) (
レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい！更新待ってます！ (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです！更新楽しみにしてます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪燐 | 作成日時：2019年7月30日 13時
