27話 ページ29
彼女は話を続ける
『ご主人は感情が足りない……それどころか人間にとって大切なものがご主人には足りにゃいんにゃ
お前……ご主人が怪異を探している理由を聞いたことがあるかにゃ？』
「昔一度聞いたことはあるが、詳しくは教えてくれなかったよ」
"異能を野放しにしてしまっては危険だから"と彼女にはぐらかされた
『ご主人が怪異を……異能力を探す目的は己の感情を取り戻す為にゃ』
そう彼女は説明した
『ご主人の異能……"俺たち"の本質はそれぞれご主人の感情から成り立っているにゃ。猿なら憎しみ、蛇なら嫉妬……みたいににゃ………
まぁ、簡単に云えばご主人の異能はご主人の感情が具現化されたものにゃ』
「じゃあ、"君"は一体彼女の何の感情なんだい？」
そう質問するとまた彼女の金色の瞳がスッと細くなった
『俺の……猫の本質は…"ストレス"
………ここまで云えばもう俺が出てきた理由がわかるだろ？人間』
にゃあ…と彼女が一声鳴く
矢張り、そういうことか……
彼女が最初に云った言葉に納得がいく
「私がAを閉じ込めてしまったから君が出てきたと……」
『そうにゃ、この状況下で理由はそれ以外にありえにゃいだろ』
彼女は呆れてため息をついた
『俺が出てくるってことはご主人は相当のストレスを抱えてる。しかも本人は
「……それで君は私をどうしたいんだい？」
『本来ならご主人のストレスの元凶であるお前を殺せば済むんにゃが、お前に触れれば俺の存在が危うくにゃるからそれはしにゃい。さっきは一瞬で奪ったから平気だったけど、次はどうにゃるか分からにゃいからにゃ
だから、俺はここから出ていくにゃ』
そう云って彼女は扉に近づく
ドアノブをひねった時、彼女は何かを思い出したかのように此方を振り向いた
『云い忘れてたにゃ。ご主人はお前に恋心は抱いてにゃいが、ご主人のもう一人の友人……チュウヤって奴には恋心に近しいものを抱いてるにゃ。選ばれなくて残念だったにゃね
───────太宰治くん』
そう云い残して彼女は私の前から消えた
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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです！楽しみにしています！！ (2020年4月6日 2時) (
レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい！更新待ってます！ (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです！更新楽しみにしてます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪燐 | 作成日時：2019年7月30日 13時
