19話 ページ21
『……………え？』
彼の言葉に思わず声が漏れた
「太宰のところに居ようが俺のところに来ようが手前にとっては大差無いんだろ？なら、俺のところに来いよ。このまま太宰のところに居たって良いことねえだろ？」
『…………まぁ確かにね』
「俺なら手前を縛りつけるだなんてしねぇし、生活も保障してやる」
だから、俺のところに来い
そう云う彼の瞳は酔っているのか何処か煽情的で色気があった
その瞳を私は嫌いではなかった
『そうだねぇ………』
グラスに入った氷を回しながら彼に対する答えを探す
彼の云う通りどちらに居ても私は構わなかった
私の目的は怪異を探す為だし、他のことなんてどうでもいい
それに夜だけ捜索するのもいい加減限界になっていた
中也のところにいれば怪異絡みの情報も入ってくるだろうし良いかもしれないな………
「なぁ……どうなんだよ………」
そう云う彼はどうやらもう酔っているようだ
『そうだねぇ、折角だしお邪魔させてもらおうかな？』
最後の一杯を飲み干してそう云った
『けど、もう少し探したいところがあってさ。明日またここで逢おうよ』
「奴のところに戻るのか……？」
『心配しなくても平気だよ。今日はありがとう久し振りに君に逢えて良かった』
そう云って席に代金を置いて立ち上がろうとすると───
「待てよ」
中也が私の腕を引っ張った
突然の出来事にバランスが保てず、体重が後ろに下がる
引っ張られた先で待っていたのは───
柔らかい接吻だった
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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです！楽しみにしています！！ (2020年4月6日 2時) (
レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい！更新待ってます！ (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです！更新楽しみにしてます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪燐 | 作成日時：2019年7月30日 13時
