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14話 ページ16


 
フッと目が覚めた


いつの間に私は寝ていたんだ……?


ベッドから起き上がると太宰くんの姿は無かった


ただ一人私は部屋に取り残されていたのだ


太宰くんが何処に行ったのかは知らないけど、居ないなら丁度良い

 
そろそろ身体に馴染んできた頃だろう


私は先程捕まえた異能を発動させた


『異能力────化物語“猫”』


発動させた瞬間、身体に変化が表れた


髪が急激に白色へ変色し、身体の重力が軽くなる感じがした


立ち上がり姿鏡に自身を写すと其処には───






猫耳を生やした姿が写っていた


『なるほど、こういう風になるのかー』



猫の姿になった自分を観察していると



【そんなに猫の姿が珍しいのかーああん?】



鏡の中の自分(・・・・・・)がにやりと笑って云った


『なんだい君から出てくるなんて珍しいねクチナワさん』


【何だよ。寂しそうにしてたから此方から話しかけてやったんだろ?】


『それはそれは随分とお優しい神様だね』


カカッと笑いが溢れる


クチナワさんは私の異能の一つ「蛇」の能力だ


他の怪異とは少し違いこうして私に話しかけてくる事がある



【それで?閉じ込められたお前はこれからどうするんだ?】


『勿論、出るよ』


クチナワさんの質問に当然のように答えた


『そうじゃないと次の怪異を探すことができないからねー』


【なんだ?さっきの奴には出ないなんて云った癖に出るのか?】


『あれはああ云わないと納得してもらえないから云っただけだよ。閉じ込められようとも私がやることは変わらないよ』


【シャシャ!とんだ屁理屈だな!】


クチナワさんが笑う


【けどよぉ、其処の扉に鍵が掛かっていたら出ることは出来ねぇぞ?】


『開いてるよ』


私はそう云いながらドアノブに手をかける


『クチナワさんが既に開けてくれたんだから』


鏡に向かって云うとまた【シャシャ!】とクチナワさんが笑う


【俺様がそんな万能なことできると思っているのか?神社に祀られていたからと云っても、俺様の本質はお前の妄想(・・)の存在なんだぜ?】


『思ってるよ』


私はドアノブを捻り扉を開けた(・・・)


『クチナワさんが私の妄想の存在なら、私にとってクチナワさんは何でもできる神様なんだから』

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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです!楽しみにしています!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい!更新待ってます! (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです!更新楽しみにしてます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪燐 | 作成日時:2019年7月30日 13時

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