第二十三話 ページ25
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田舎じみた防寒外套に学生帽、見た目十代半ば位の少年の声は
まるで鶏が鳴いたかの様に高く、大きく、静まり返っていた会場に響き渡った
そして、何かが弾けたかの様に、隣で劇を観賞していた福沢に問い続けている
「なんでこんな丸わかりな話を、お金払ってまで観に来るの?」
「あいつが犯人だよ!最初の五分で判るでしょ、こんなの!」
福沢が横で嗜めるが、其れでも少年は止まらない
限界まで膨らんだ風船を誰かが突いて割ってしまったかの様に
少年の口は言葉を紡ぎ続ける
「Aさん・・・・・」
少年の言動に吊られたのか他の客も騒がしくなってきた
『問題ないよ。御前は何も心配しなくて善い。ほら、此れを舐めとけ。』
そうやって太宰の口にこっそりと飴玉を入れた
(※本当は劇場での飲食は佳くないのだが・・・・)
飴玉は舌の上でゆっくりと溶け、イチゴの甘さが太宰の心を落ち着かせた
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其れでも尚、少年は叫ぶ
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「皆が何を考えてるか判らない、怖いよ、怪物に囲まれてるみたいだ!
そう云っても誰も僕のことを判ってくれない!
判ってくれる父上と母上は死んでしまった!」
『・・・・・・。』
〜〜〜〜〜〜
『何故皆先に死んでしまう・・・・私が悪い子だからか?
痛い、痛いンだ・・・・
なぁ先生、如何すれば失わずに済む?』
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「世の物は失うが道理・・・・
御前が如ンな人間であろうと、死んでいった者は帰らぬよ。」
〜〜〜〜〜〜
『・・・・同じ・・・・・・か・・・・』
有川の呟きは虚空へと消え、
休憩を知らせる放送が入った
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月17日 17時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます。此方で設定していた夢主の名前を誤って掲載していました。修正致しましたのでご確認ください。ご指摘感謝いたします。また何かあればコメント等お願いします! (2021年4月2日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 28ページ 涙さんが とは誰の事でしょうか?? (2021年3月31日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» 有川『ぴのさん、お褒め頂き光栄だ。貴方は治のことをよく判ってらっしゃるのだな ....今後作者も学んでくれることだろう。ご指摘、感謝している。これからもこの物語を見守ってくれ』 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます!そうですよね、私も判ってるんですが何分映画特典が出る前に書いた話だったので多分推測で私っていう一人称になってるんだと思います....(あくまで私の妄想の塊ですので ...)ご指摘感謝です!今後の参考にさせていただきます。 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーク | 作成日時:2018年3月12日 23時