果てなき境界で終わりなき××を (ページ9)

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ー第三特異点 8 ーページ9

「効いた、効いた。
アタシの負けだね。

煮るなり焼くなり抱くなり好きにしな」

「・・気軽にそういうことを言うものではないですよ」

秋の言葉にドレイクが瞬く。

「調子の狂う男だねぇ。
まぁいいさ。なんにせよ、負けは負けだ。
アンタたちの話を聞こうじゃないか」

とはいえ、と、ドレイクは、
既に察しているような口調である。

「要は足が欲しい、ってことじゃないかい？
アンタたちにはやらなきゃいけない仕事があるが、この海には不慣れだろうからね」

頷きながら、秋は誠心誠意こたえる。

「その通りです。
俺たちには、
フランシス・ドレイクという存在が必要なんです。
手を、力を貸してくれませんか？」
「・・へぇ、ふーん、
はーん、そうかい。そう、なんだ」
「？はい」

ドレイクの妙な反応に惑いながらも、
笑顔は絶やさずもう一度かえした。

(タチが悪いなぁ・・)

ロマ二はそんな状況を眺めながら、
しかし存外穏やかに笑った。

「で、具体的には何をすればいいんだい？」

そう返す彼女に、
詳細と説明をつないだ。

そしてその後は、やはりというのか、
なだれ込むように宴会となった。

＊

「砲弾直撃してもピンピンしてる連中がいる時点で、
この海域は異常なんだと思ってはいたけどね」
(サーヴァント・・・)

酒を片手に彼女はこれまでの状況を話してくれた。
ちなみに未成年なためこちらは酒類は一切口にしていない。

話に夢中な彼女の目を盗み、
秋の受け取った酒類はアルジュナが飲み干す。

「アタシもまぁ、
海賊やっててそれなりに修羅場もくぐってきたからね。
〝どうしようもない厄ネタ〟ってのは、
大体わかるもんなのさ。
確かに、この海域は異常だよ」

ーージャングルがあったかと思えば、
地中海の温暖な海に出たりする。
海流も風も滅茶苦茶だ。

「真っ当に海に出ることすら難しい」
「・・・・」

そして驚くべきは。
この海域には「大陸」が見当たらないのだという。

故に、いわく彼女たちは、
翌朝にでも新たな旅に出るつもりのようだ。