ー 第三特異点 18 ー ページ19
ーー結界。
聞けば、マシュのようなデミ・サーヴァント、
アルジュナのようなサーヴァントであれば脱出出来る程度のものだそうだが、
しかしいかんせん船はそうはいかない。
「結界を張った誰かを討伐しない限り、
このままということになりそうだね」
ーーならば答えは一つだろう。考えるまでもない。
「探し出しましょう」
手分けしての、捜索がはじまった。
ーー何故だろう。アメリカを思いだした。
「殺風景なところが似ているのかな」
「マスター?」
「・・・なんでもないよ」
見回りはじめて少し。
不可解な点があった。
何故、ここに人工物があるのか?
「砦のようですね。
しかし、人工物がある割に人の気配はありません」
視界に入った岩山に目線が留まる。
ーー穴があいている?
岩山に近付き、岩肌に触れる。
はっきりとした感触がある。
幻惑の類ではないだろう。
「・・・」
「どうされますか、マスター」
ごそごそと服を荒らした。
「フォウ君」
「フォウ!」
やはり懐に潜んでいたか。魔術生物が顔を出す。
「この場所のことをマシュさんたちに伝えてきてくれ。
いいかい、くれぐれも気をつけてね」
「フォッ、キューゥ!」
了解した、と言わんばかりにフォウは頷き飛び出した。
次に通信機を確認するが、やはり断絶している。
(結界を張った本人をどうにかするしかないということか)
アルジュナに声をかける。
「マシュさんは戦闘向きのサーヴァントじゃない。
最悪の場合を想定して俺たちが行っておくべきだろうね」
「承知しました」
呼び出しは魔術生物フォウに任せた。
彼ならばそう目立たずにマシュたちのもとへ向かえるだろう。
そして、確実だ。
何かあったとき、
どちらか一方が外にいればどうにかなる。
(そのあたりはドレイクさんがわかってるだろう。
問題ない)
アルジュナと共に、
岩山のなかへと踏み込んだ。
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作者名:遊藍 | 作成日時:2019年5月4日 21時