ー 第三特異点 17 ー ページ18
果たしてあれは、生体なのだろうか。
「いや、少し違うのかな。
っていうかなんなのあれ・・」
「・・竜牙兵・・でしょうか。
アメリカで、フィンの持っていた資料に、
ああいった容姿の兵隊を見た覚えがあります。
確か、竜の牙を用いてつくられているとか」
「なるほど」
群がる竜牙兵を前にアルジュナの知識を再確認したところで。
『ちょうどそこが座標位置なんだよね。
冬真君、蹴散らしてやりなさい』
「了解です。ご退場願いましょう」
ーー文字通りそれらを蹴散らして戦闘は終了。
ターミナルポイントの作成を開始する。
即ち、待ちかねたコーヒータイムである。
ダヴィンチの講義を聞く。
香辛料についてのお話だった。
(胡椒が黄金にも勝る価値・・・
なるほど、
だからドレイクの財宝の話に、香辛料が)
同時に、現代では当たり前となった胡椒瓶が転送されてきた。
(・・・なるほど?)
ダヴィンチのいい笑顔に、
カレがさせようとしていることを察した。
「ドレイクさん」
振り向いた彼女に胡椒瓶を手渡す。
「マジでぇぇえええ!?」
「卒倒しました」
『ははは、そうだろうね!』
「いいシュミしてますね」
『ははは、キミも人のこと言えないだろう?』
恐らく以前、
ドレイクの精神を盛り上げるために、
財宝と概念の理念について語ったことを差しているのだろう。
「なんのことやら」
サークルが確立された。
しかしそこで妙なことが起きる。
『さっき の海賊旗ー結果が出たーーけど、
あのーー旗は、
伝説ー大海賊ーーのーー・・
つまりーー海賊たちは、
ーー・・というーーたちで、』
「・・ロマ二さん?
ロマ二さん、通信の様子が、」
直後に、その通信ごと途絶えた。
「・・・どういうこと、・・!」
「マスター、こちらへ!」
腕を引かれアルジュナに抱えられた。
ーー地震だ。それもかなり大きい。
アルジュナの腕に抱えられながら身体を伏せた。
「・・・収まったか」
確認する。全員共怪我はない。ひと安心だ。
次に気にかかるのは船のほうだ。
「・・船は問題ない。が、これは・・」
船体も、船員も無事ではある。
しかし、困ったことに、
船が動かないという。
「実は通信も途絶えたままでね。
さて、これはーー・・・」
秋は船体に触れる。
何かで、がっちりと固められたように動かない。
「・・妙な気配がするな」
「・・マスター」
アルジュナが、視線の動きで海側の船体を示した。
「・・・結界ですね」
「・・・・・ へぇ」
100人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:遊藍 | 作成日時:2019年5月4日 21時