ー 第三特異点 16 ー ページ17
「アルジュナ」
「ただちに」
共に、マシュ、立香も船首側へ。
「前線は俺とアルジュナで。
マシュさんは後方で乗組員のみなさんの安全の確保を。
藤丸さん、いつも通りお願いします」
「任せてくれていいよ!」
慌ただしく指示を出すが、
指示された彼らは慣れたものと言わんばかりに行動を開始する。
「さすがだね。
あんた、ただの術師にはもったいないよ」
「・・褒め言葉として受け止めておきます。
ありがとうございます、ドレイクさん」
ーー
敵対者の排除に成功した。
いわく、戦闘力としては、中の下、だそうだ。
と、乗組員の一人が、
討伐した海賊船から船旗を持ってきた。
「うん、やっぱり見覚えがないね。
あんたたちは何かわかるのかい?」
ドレイクに問われロマ二へ通信を再開する。
「調べられますか?」
『うん、もしかすると記録が残っているかもしれないね。
任せて、すぐに結果は出ると思うから』
「よろしくお願いします」
聞き届けたドレイクが再び船を進める。
じきに次の島は見えてくるだろう。
*
海図に従い進んだ結果、
先の島より格段に大きな目的地へと到着した。
『お陰で霊脈のポイントも発見できた。
これで戦力は整えられるね。
冬真君の魔力の後ろ盾としても安定するだろう』
「ええ。
位置さえ特定できれば、接続も楽になります」
あとは聖杯の助力をうけ、
魔力庫のようにその地から拝借させて頂く。
『座標を送るから向かってくれ。
まぁ、ただ、
いくつかの生体反応もあるから注意してくれ』
「わかりました」
・
ーーとにかく、広い。
「島」とは思えないほどに。
そんな全身を穏やかな風が包む。
「・・いい風だよね。
この感覚、少し前のローマに似てる」
目を細めた立香が呟く。
と、そんな雑談を交わしていると、
指定された座標が視界に入ってきた。
「・・・?」
その地に、群がるソレを見て、
秋は思わず首を傾げた。
「・・生体反応」
「・・生体反応?」
「・・『生体』・・?」
秋、マシュ、立香、と、
口ぐちに、浮かんだ疑問を提起する。
しかし、それはどれも同じ意味からだ。
そう、『果たしてあれは生体なのだろうか?』と。
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作者名:遊藍 | 作成日時:2019年5月4日 21時