また君と一緒に

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Aside



走って逃げるように家に入る

泣いたまま走ったせいで息が苦しい





A「ﾊｧｯ...ﾊｧｯ...ﾋｭｯ..ｶﾊｯ...ｹﾞﾎｯ...」





ガンガンと頭に痛みが走る

上手く息が出来ずに喉が鳴る

過呼吸だ。いつからだ

いつからこんなに弱くなった？

いや...昔からだ、昔からずっと弱かった

私は...皆が柱最強だとそう言ってくれてたから

あの地位に居ただけ、なんの力も無い

この世界でもそうだ、昔の名残のおかげ

勉強も頭脳も運動神経も身体能力も全部

随分と昔の事を思い出してイライラして

挙句炭治郎に八つ当たりをした






A「ｹﾞﾎｯ...ﾊｯ...ﾋｭｯ...だ...れか...ｯ...」






無造作に突っ込んだ携帯を取り出し

ある人の連絡先をタップする

ﾌﾟﾙﾙ...ﾌﾟﾙﾙと２コール目で出た人






【実弥「どうしたァ」】


A「ﾋｭｯ...ﾊｧｯ...し...ｹﾞﾎｯ...なずｯ...がわ...ｹﾞﾎｯ」


【実弥「！！待ってろ、すぐ行く」】


A「ﾊｧｯ...ﾋｭｯｶﾊｯ...」







プツンと電話が切れる

何故不死川なのか、何故炭治郎じゃないのか

きっと一番張り合いながら一番話してたから

そしてさっきの事があって炭治郎に会えない

電話が切れてから３０分ほどで外から車の止まる音

ガチャっとドアが開き体が浮く感覚






実弥「おい日野森、大丈夫か！」


A「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ﾋｭｯ...ﾊｧｯ」


実弥「とりあえず俺と一緒に深呼吸しろ」


A「((ｺｸｺｸ」







不死川に合わせてゆっくり息を吸って吐く

徐々に落ち着いて呼吸も整ってきた

リビングまで運んでもらいソファに座らされる







実弥「お前はよォ...何で俺なんだ」


A「……」


実弥「どうせお前のことだ、竈門に悪い事したって責めてんだろ」


A「…せっかく...また一緒に慣れたのにｯ...私...酷い事したっ...嫌われた...きっともう...笑いかけてくれないっ...炭治郎が居なきゃ何もないのに...一緒に居られないのは...ｯ...もう嫌だっ...」



ギュッ



A「不死川...」


実弥「慰めだ、ノーカン。浮気じゃねぇ。だが...仲間が泣いてるのを見て放っておくほど鬼じゃねェ」


A「っ...ぅ...うわぁぁぁんっ」









いつかの殺して閉じ込めた弱い自分

子供のように泣きじゃくる私を

不死川は何も言わずにただずっと抱きしめていた

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