第47話「嫌味と皮肉と疑惑の目」 ページ50
時が経つのは早いもので。
私はまたあの太宰が囚われていた場所に来ていた。
すると其処には、中也が壁に背を預けて立っていた。
太宰の姿は見当たらない。
中也は私達に気付いたのか、ゆっくりと背を起こして口を開いた。
中也「芥川、Aを離してやれ。」
すると芥川は分かりました、と小さく呟くと羅生門を私からするすると離していった。
貴方「ありがとうね、中也。……ところで、太宰様はどちらに?」
私は中也に礼を告げると、気になっていた事を口に出した。
何故、太宰が居ないのか。
アイツはいい加減な奴だが、首領の命で私を鍛える事になっている。
だとすると、アイツが遅刻だなんて有り得ない。
また何を企んでいるのか。
貴方「ところで、中也。」
中也「あ?んだよ?」
貴方「何で今日はジャージじゃなかったの?」
私は太宰への思考を止めて、疑問に思っていた事を中也に投げ掛けた。
すると中也は呆れた顔で。
中也「お前なあ…本当に異能力で戦う時、毎回ジャージに着替えるのか?」
貴方「そりゃ、着替えないけどさ。」
何故にジャージではない?
私がうんうんと唸っていると芥川が心底呆れた目で説明してくれた。
芥「……中原さんが言いたいのは慣れた服で戦えるようになれという事だ。この愚鈍め。」
貴方「あぁ、成程。」
いつもの服に慣れて戦えるように、ね…。
考えたのは、きっと…。
その時だった。後ろから声がしたのは。
??「やはりその服の方が似合ってるねぇ?」
貴方「……お早いご到着で?
___太宰様?」
嫌味を交えてそう言えば、太宰はいつもの胡散臭い笑顔でこう言った。
太「うふふ、私に驚かないとは。流石、
『首領秘書』という言葉を強調しているのは聞き間違いではないか…。
現に隣の芥川の小さく息を呑む音が聞こえた。
成程ね…?芥川の興味を引こうって訳?
貴方「お褒めに預かり光栄ですが、たかが首領秘書ですからね。それに、戦いとは無縁ですから…太宰様に驚かなかったのも声が出なかっただねですよ。」
微笑みながら太宰が暗に伝えていた『私に驚かないのは気配に気付いていたから』を否定すると、太宰は探るような目でこう言い放った。
太「そうかな?君には充分戦いの才能がありそうだけどなぁ。先日の中也との鬼ごっこでの身のこなしは素晴らしかったよ?まるで、つい最近まで最下級構成員であった事が信じられないような…ね?」
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舞 - 首領のルビ、ボスのはずなんですが...なんだか違和感があるんですよね「しゅ、首領」みたいなセリフの時内容はとても面白くてワクワクしながら読んでいます! (2018年7月2日 22時) (レス) id: 338b13862d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 原作しか見てないのでアニメではどうなってるのかわからないのですが、首領の読み方はそのままでなくボスだと思います!更新楽しみにしてます頑張ってください^^*(同コメありましたらすみません) (2017年9月30日 0時) (レス) id: cfd67c96bc (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_桜(プロフ) - 森さん(^q^)うぇへへ……なのですが、設定ページで三人称の意味合いが違うと……ヾ(・д・`;)heとかsheとかジャ (2017年8月18日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - きなこさん» 初コメントありがとうございます。この作品で森さん好きが増えたのであればこの上ない喜びですね。企画も賛成して下さり…感謝です。暖かい言葉嬉しかったです。これからも、不甲斐ない作者ではありますが、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - 晋陽さん» 森さんの色気は上手く描写出来ていますかね…?それならばとても嬉しいのですが…コメントありがとうございます。これからも、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ@現実逃避 | 作成日時:2017年2月1日 21時