首領秘書生活始めます。【文豪ストレイドッグス】

第25話「噂をすれば」 ページ27

貴方「今更だけど、此処どこ？」

中「医務室だ。」

私が思い出したかのように尋ねれば中也は短くそう答えた。

医務室、ね…。

大方、太宰の指示なんだろう。

貴方「私、どれくらい寝てたの？」

中「3」

3時間か…。

結構寝てるな…。

貴方「中也、××さんって何処に居るか分かる？」

中「あ？××って誰だ？」

私が聞けば中也は分からないようだった。

まあ、そうだよね…。

だから私は中也に、嫌がらせしてきた女性の名前だよ、と言った。

すると、中也は言いにくそうに

中「あー、知らねぇが、何されてるかは想像がつくな。」

と言った。

どういう事だ？

貴方「何されてるの？」

中「…詳しくは太宰に聞け。」

中也は顔を歪めていた。

私は、察してしまった。

つまりは、そういう事なのだ。

太宰は拷問などに長けている。

これを言えば、ご理解頂けるだろうか？

貴方「……改めて思うけど私は太宰様嫌いだな。」

私がそうぽつりと呟けば中也は不思議そうな顔をする。

中「さっきから気になってたんだがよ…嫌いなら何で様つけてんだ？」

そんな事を問い掛けられる。

まあ、不思議に思うよな。

だが、これには理由がある。

貴方「様つけてたら一線引いてるみたいでしょ？呼び捨ては少なくとも距離が近くなる。だから、様つけてるの。」

心の中では、違うけどね。

そう付け加えれば、中也は悪戯な笑みを浮かべ

中「心の中では何て呼んでんだ？」

と言ってきた。

私もそれにならって、悪戯な笑みを浮かべて返す。









貴方「─────包帯の付属品、ってね。」



中也はそれがかなりツボだったらしく、腹を抱えて笑っていた。

私も肩を震わせ笑う。

中「ぷっ、くくくっ、包帯の、付属品って、ネーミングセンス、最高かよっ！！」

貴方「ふ、ふふっ、あと、迷惑噴霧器、とかね？」

まあ、これを言う人は後々、太宰の相棒となるのだけど…。

太宰の陰口はかなり盛り上がった。

それぞれ、苛ついている事を言い合う。

私と中也がそんな事を言ってるからだろうか？

噂をすれば影が射す。

中「っでよ、太宰の奴その任務で俺に違う作戦教えててよ！！？」

貴方「あ、もしかしてその任務って…」







太「─────君達、随分盛り上がってるね？そんなに楽しいかい？」



貴方「太宰、様…」

中「太宰…」

いつの間にか太宰がとても素晴らしく、爽やかな笑顔で後ろに立っていた。

私も中也もきっと同じ顔をしていると思う。






『何で居るんだ』

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