首領秘書生活始めます。【文豪ストレイドッグス】

第15話「探し求めて」 ページ17

まあ、こんな感じで私は首領の秘書となった訳だが、あの後が大変だった。

匂いの事で散々からかわれて…

だけど、あれから首領に相談出来るようになった。

二人の間にあった厚い壁のようなものも薄くなったと思う。

私は私で優しくしてくれる首領を怖がっていたところもあるし、首領は首領で私を疑っていた。

だけど、首領が私の話を信じてくれたお陰で、私も胸の内を話す事が出来た。

首領には感謝している。

日々の生活も思ったより充実しているし。

仕事が多いと思っていた秘書の仕事も、割りと楽でむしろ前に居た所よりも仕事が少なくなったような気がする。

それは決して私の腕があがったなどではなく、私が思うに首領が私に回る資料などを分かりやすくしてくれているからだと思う。

首領が渡してくれる資料は、殆ど完成と言っても良いほど出来ている。

字も綺麗で誤字や脱字も見つからない。

首領は私に甘いと思う。

これは、私が気付いたのではなくエリス嬢が言っていたからだ。

私自身、甘やかされているという感じはないが、優しく紳士的という事は分かっている。

それよりも、私にとってはかなり衝撃的な出来事があったのを話しておきたい。

私は、あの後からある事を調べていた。

それは今が原作でいう何時なのか、という事だった。

私が会ったのは、首領だけであり他のキャラには驚くほど会っていなかったのだ。

しかし今、既に森鴎外がポートマフィアのボスであるという事は太宰治が居るはずなのだ。

だが、太宰治に会っていないし話も噂さえも聞かない。

幹部の説明は首領から受けた。

だが、幹部の名前までは一切触れなかった。

今は、黒の時代なのか。

織田作は生きているのか。

分からない。

それとなく部下達の話を盗み聞きしたりなどと情報を集めていたのだが…

太宰治、中原中也、尾崎紅葉、などには会えなかった。

勿論、織田作之助にも。

そんな、ある日の事だった。

首領が会議で部屋を留守にしていた時。

私は部屋に１人残り、首領の資料の確認をしていた。

部屋のドアがそっと開く音が聞こえた。

私は会議が終わり首領が帰って来たと思い、顔をあげたのだが…

貴方「首領、会議お疲れ様で……す…？」

??「へぇ〜矢張、秘書が出来たというのは本当だったのだね。それもこんなに可憐な女性とは。」

そこには、私が探して探していた人だった。


??「ああ、自己紹介が遅れてすまないね。私の名は……









─────太宰治だ。」

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