異世界のやつ(やりたかっただけシリーズ) ページ38
｢キノちゃん聞いてよ〜…彼女にフラれちゃってさぁ｣
｢そうか、良かったな｣
そう言って煙草をふかしていた大先生が、抱き付いてこようとする。
彼の臭いが付くので、腹に蹴りを入れる。
暫く地面でアスファルトに焼かれる蚯蚓のように這っていた。
勿論、煙草の匂いではなく彼の臭いが嫌なのだ。
腐卵臭にも似た、思わず顔をしかめてしまう臭い。
誰もそんな臭いを付けたくはないだろう。
彼が吸っているキャスターは、普通に好きだから何とも思わない。
すると、隣でメビウスを吸っていた双子兄コネシマが口を開いた。
｢何や、48から47になっただけやろ？一人くらいええやん｣
｢相変わらず愛が無いなあシッマは…。
良いか？僕は彼女の名前、電話番号、スリーサイズを忘れたことは一度もない｣
｢純粋にキモい｣
純粋にキモいわ、何やねんそれ。
そんな無駄なことに得意の暗記力を使うなや。
すると、右側から女の子の声と聞き慣れたバリトンボイスが聞こえてきた。
｢あ、吉田さんにグルッペンやん｣
｢あ！キノユキさん！こんにちは！｣
正に元気溌剌、と言った言葉が似合う。
彼女は吉田さん。
グルッペン法律事務所で事務員のような立場の子。
大きい瞳に愛想の良い笑顔、かなり可愛い女の子である。
｢ん、こんにちは。で、グルッペンはどうしたん？隈やばいやん｣
対して寒くもないのに、
３ピーススーツとトレンチコートを着た男は、グルッペン・フューラー。
一言で表すなら、邪悪さの塊。
趣味戦争(ゲーム)という訳の分からない言葉を作り出した男。
そんな彼の目元には深く隈が刻まれており、酷く窶れた顔をしている。
そもそも彼の外出頻度はアホみたいに低い。
年がら年中外出自粛で草生えるどころか森が生える。
なので彼がこんなに疲れていて自主的に外出する事はまず無いので、
吉田さんの気遣いで外に出ているのだろう。
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櫻夢(プロフ) - 紫さん» 勿体なきお言葉…！有難うございます！拙い文ですがこれからも精進させて頂きます！ (2020年4月29日 0時) (
レス) id: c6ce1548f4 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 続きも頑張ってください(*＞∇＜)ﾉこの小説大好きです!!! (2020年4月28日 11時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻夢 | 作成日時：2020年1月12日 12時
