あと8日�� ページ33
ユヒとウジンのおかげで少し気は紛れたけど、ひとりになるとまた色々考えてしまって、保健室に着くまでが長く感じた。
ようやく辿り着いて、そっと横開きの白い扉を開くと、ちょうど振り返ったソンウン先生と目が合った。
「おお、ファンA。今度はどうした」
「ちょっと、具合悪くて。一限の間だけベッド使わせてくれませんか」
「じゃあここに名前書いて、体温測ったらそれも名前の横に書いて」
無造作に机に置かれていた鉛筆を握って記名を済ませ、ソンウン先生から体温計を受け取る。
ふと周りを見回すと、私以外にはまだ誰も生徒は来ていないようだった。去年も一度保健室のベッドを借りたことがあるけど、その時はすごく混んでいて、ベッドが足りずに順番待ちの椅子に座らされる人までいたのに。
「一限はほとんど生徒は来ないよ。だいたい三限過ぎた辺りから急激に混み出すんだよ。みんなピンピンしてるくせに頭痛いだのお腹痛いだの言ってサボりに来るから」
私の疑問を察したみたいで、ソンウン先生はそう教えてくれた。毎日そんな生徒たちを相手にする彼の心情を想像すると、なんだかいたたまれない気持ちになる。
少ししてピピッと電子音が聞こえ、わたしは脇に挟んでいた体温計を取って確認した。
――まあ当たり前だけど、熱なんてないよね…。
「平熱じゃん。まさかお前もサボりか？」
肩越しに覗き込んできて数値を見たソンウン先生が、いたずらっぽい笑みを浮かべて小突いてくる。だけど、ちゃんとわたしの顔を見た瞬間、さっきのユヒたちと同じように心配そうな表情になった。
「なんか嫌なことでもあった？」
事情を話そうかとも思ったけど、早く静かに休みたい気持ちの方が勝っていた。
「ちょっと色々あって…でも一限だけ寝かせてくれれば大丈夫ですから！」
「そう…？なんかあったら遠慮なく言っていいから」
「お願いします先生、わたしを寝かせてください！一回だけ！」
「わかったから、誤解を生みそうな言い方はやめなさいね！」
奥の使いな、と先生が顎で示したベッドに寝転がり、囲いのカーテンを引っ張った。
――家のベッドより柔らかくて、気持ちよく眠れそう。
昨日の睡眠時間が短かったからかすぐ眠気がやって来る。
目を閉じかけたその時、ドアの開く音が聞こえた。
「すみません、なんか朝から頭痛くて」
――この声、まさか…。
そっとカーテンをずらしてみると、そこにいたのは紛れもなくあのジフンだった。
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加賀島京(プロフ) - ナギさん» コメントありがとうございます。あたたかいお言葉とても嬉しいです；；前回の更新から時間が経ってしまって申し訳ないです……。楽しみにしていただいているのにすみません！必ず完結はさせますので、これからも読んでいただければ嬉しいです。 (2019年5月9日 3時) (
レス) id: 8ab02f0b4e (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 久しぶりの投稿ですね！嬉しいです。ゆっくりでも全然構わないので完結まで持ってきていただけると嬉しいです……無理ない程度に頑張ってください！ (2019年3月31日 23時) (レス) id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
ARMY - 明けましておめでとうございます！ワナワンも解散で、ほんとに悲しいTTワナワンのことも、忘れないし、加賀島京さんの、作品も、忘れません！今年も、更新楽しみにしてます！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: ea329e26cd (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - ARMYさん» わかります、なんでもこなしてしまうデフィが本当に本当に好きで…(;_;) …ああ、そんなことを言っていただけるなんて…本当に嬉しいです…ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - 空さん» ありがとうございます…！空さんの作品を読んでいると、私もヒョンソプを動かしたい…！と思って、つい登場させてしまいました(^^;面白いと言っていただけて本当に嬉しいです。あと、ゆらぎの中でセウンが登場したことに興奮してしまいました、、ありがとうございます、 (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年11月23日 0時
