まいご ３ ページ18
「…貴女も、兎、好きなの？」
ご機嫌な様子でぬいぐるみで遊んでいる幼子に気を惹かれたのか、鏡花が治春の傍に来た。
「あい！」
治春はにこにこと笑いながら鏡花に向かって手を伸ばした。
「可愛い…」
無邪気に自分を見つめる治春に、思わず言葉が漏れる。そんな鏡花の様子に気が付いた太宰が
「鏡花ちゃん、良かったら抱っこしてみるかい？」
と声をかけた。
「…良いの？」
「嗚呼。ほら、腕を出して御覧？」
云われる儘に腕を差し出し、幼子を抱き取る。腕の中の幼子の様子を窺うと、幼子はあー、と何やら無邪気に鏡花に話しかけてきた。
「…温かい」
鏡花はそう呟き、ぎゅっ、と治春を抱く腕に力を込めた。
長い間、闇の世界で、幾多の命を摘み取っていった彼女にとって幼子の柔らかさや温もり、甘い匂いは、胸が苦しくなるほど愛おしく感じられた。
「可愛い〜！ナオミも抱っこしたいですわ！」
「ちょ、ちょっとナオミ！未だ鏡花ちゃんが抱っこしてるンだから…」
「うわぁ〜！うちのモー子に負けない位可愛いですね〜」
其の内、治春と鏡花のほのぼのとした雰囲気に惹かれたのか、いつの間にか二人の周りにはちょっとした人だかりができていた。
「もー、騒がしいなー。何の騒ぎ？」
その騒がしさに、今まで自分の机で遊戯端末で遊んでいた乱歩が、幼子に目を向けた。
「…！此れは珍しいお客さんだね」
乱歩は幼子の顔を一目見て、何かを察したらしく、
「中々やるじゃあないか、彼奴も」
と云い、ニヤリと笑うと
「特別なお客さんの君には、僕が特別に此れをあげよう！」
と、治春にベビーカステラを手渡した。
「！かしゅえら！あいやと！」
幼子は好物を貰い、ますます機嫌良さげに笑った。
(あの乱歩さんが人にお菓子を分けている…！)
一同が呆気に取られている中、
「あ、あとそろそろ此の子の『お迎え』が来るかもしれないから、皆一応気をつけて方が良いと思うよ」
と乱歩は云い、再び遊戯端末で遊び始めた。
「…乱歩、何かあったのか」
其処に探偵社社長、福沢諭吉が来て、乱歩にそう尋ねた。
「んー？別にそういう気分だっただけだし、それに」
あの子を泣かしたりしたら、父親が黙って無いだろうからね。
乱歩は遊戯をしながら答えた。
「…そうか」
福沢は、一言呟き幼子と周りの人々を見つめていた。
(愛いな…)
本当は、幼子と遊びたくてうずうずしていたのは、此処だけの話。
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チエリ(プロフ) - リクエストです。娘ちゃんの七五三が見たいです！ (2020年12月2日 16時) (
レス) id: 26773a3f05 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - リクエストしてもいいですか子供ちゃんが芥川君にいやと言って太宰さんに懐いたらお願いします (2020年11月28日 14時) (レス) id: c1f033818d (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 更新楽しみです！ リクエストで 夢主が長期任務に行ったらでお願いします 医療なのであまり無いと思いますがお願いします！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 森さんとエリスとの触れ合いが読みたいです。 森さんにお茶を運ぶちーちゃんとかエリスとおままごとするちーちゃんとか… 中也の帽子を被って真似っこするちーちゃんとか。 (2020年4月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 66cf0ac4ec (このIDを非表示/違反報告)
水無月カエデ(プロフ) - リクエストよろしいですか？治春ちゃんが風邪ひいて、主人公と芥川が看病するお話はどうでしょうか？ (2019年8月12日 8時) (レス) id: 6738e6e757 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：独楽：ころん | 作成日時：2018年8月12日 20時
