優等生くんの裏の顔【knmc】

13:大切な話をしよう ページ13

剣持side




杉本さんがお風呂を出たのを確認して、僕もお風呂に入る。


…にしても、まぁ。


やっぱり女性が自分の服を着ているところはクるものがある。
割と本気でズボンはいらないのでは？とも思った。



＿＿＿＿ それは置いといて。




今日の帰り、彼女を見つけた時は目を疑った。
ポロポロと涙を流しながら走る彼女。

長距離を走って来たのがひと目でわかるほどフラフラだった。


一体、何が。


僕は１つの考えが頭をよぎる。




＿＿＿＿＿ 2434技術研究所。





奴らの適性検査合格者のファイルの中に、彼女の名前があった。
だからこそ早急に奴らを潰さねば、と。

もう招集しているのか？
いや、まだ詳細はわからない。
思い過ごしかもしれない。



名前を呼んでも気付かず走る彼女の腕を引いた。
軽く引いただけなのに今にも倒れそうなほどふらつく。

…何が、彼女をこんなに。




『剣持、くん。たすけて』




ボロボロの彼女を安全な場所…人目のつきにくい場所へ連れていかねば。
奴らから逃げて来たなら、その辺にいるのかもしれない。

そう思って見回したが、杉本さんに首を振られる。



…不安で、たまらないんだ。



僕の家で話を聞いてみると、予想通りだった。
彼女の家で待ち伏せか。
彼女の両親は？詳しいことまではわからなかった。



計画の実行は明後日。
それまでに攫われてしまうことは避けたい。

だが、家もバレているなら学校も当然バレているだろう。

どうする、どうしたら彼女を守れる？

…正直、家に軟禁が一番安全だ。



とりあえずお風呂を出て、彼女に話してみよう。






脱衣所を出て、湿った髪をタオルで拭きながらリビングに向かう。


…ん？


杉本さんはソファにもたれかかってうずくまっている。




「杉本さん…？どうかしましたか？」




返事はない。
…これは、もしかしなくても。


「寝て、ます？」


杉本さんの前にしゃがみ込んで肩を揺する。

…おーい、起きろ〜。


何度か肩を揺すっていると んん、と声がした。



「…ん、寝て、た？」



寝ぼけているのか、目を擦りながら顔を上げる。
眠そうだな。
申し訳ないがしっかり起きてもらわなくては。


さて、これから大切な話をしよう。

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