【イルミ】あなたしか ページ10
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『…ッ……クッ、ァ…』
痛みから吹き出る汗。
呼吸をするだけで酷く痛む脇腹からはドクドクと暖かい液体が流れる。
いつからだろう。
仕事中に狙われるようになったのは。
『大丈夫?』
『イルミさん…』
音も気配も無く、声を掛けられるまで目の前に立っていたその人に気づくことすら出来なかったその人へ目を向ける。
『それ、誰にやられたの?』
『…さぁ、わかりません…最近、多いッ…んですよね…。』
痛みから漏れる吐息混じりに答えると、私の頬に冷たい手が触れる。
酷くその手が落ち着いて、心地よくて、そのおかげが痛みが一瞬だけ消えた気がした。
『イルミさん、助けて…下さい…』
『構わないよ。
とゆうか、元々その気だし。』
軽々と私を持ち上げると何処かへと歩き始めた。
細くもしっかりとした体で、子守唄のような心臓の音。
そして、心地よい揺れに張り詰めた緊張が溶けていく。
『…イルミさん、いつも迷惑ばかり、…ごめんなさい…。』
眠気に任せた言葉に帰ってくる言葉はなくて、でもそれがイルミさんらしいと思いながらゆっくりと目を閉じた。
何故いつも、タイミングよくイルミさんが姿を表し、怪我を負った私を助けてくれるのかもわからないままだけど、そんなイルミさんを私は飽きれるほどに信用しきっている。
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結梅(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!! (2020年6月3日 9時) (レス) id: 1228fc8387 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリンチー - 楽しみに待ってます! (2020年2月23日 3時) (レス) id: 93c5d350f5 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - クラピカぁあぁあっ!なぜ殺したぁあぁあ!! (2019年10月31日 23時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
ハオミン - キルアのかわいさに脱帽した (2019年7月25日 7時) (レス) id: 228eb0b481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カエデ | 作成日時:2019年7月23日 4時