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「でもさすがに次の恋は実って欲しいです。私の周りの人達、皆結婚控えてて」
「早くしないと嫁の貰い手がいなくなるぞ」
意地悪を言われムッとしたサクラは反論しようと、隣のオビトに寝転んだまま顔を向けた。
「……!」
ちょうどその時、オビトもサクラの方を向いており、見つめ合うような形になってしまった。
オビトの眼を通して、自分の心の中を見透かされているような気がしてすぐさまサクラは顔を背けた。妙に顔が火照って熱い。
やだ…私ったら何ドキドキしてるんだろう。
そう思いながら、サクラは手で顔をパタパタとあおいだ。
*.。*.。
「サクラ、そろそろ山から降りて寝る支度をするぞ」
それから2、30分後。
声をかけるが、サクラから返事は無い。
耳を澄ますとすうすうと寝息が聞こえてきた。
「……安心し過ぎだろう」
サクラの広い額を軽く小突いてみたが、彼女はただ寝返りをうつだけで、起きる様子は一向にない。
旅の疲れが出たのだろう、と思いオビトはサクラを起こさないようにそっと彼女の身体を抱き抱えた。
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いずな - オビトェ… (2018年11月30日 23時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘ゆら | 作成日時:2018年11月29日 2時