妖札石探偵団 〜推理ファイル1〜

2 妖札石探偵団を襲う災難 ページ28

ひったくりに巻き込まれる経験(しかも、人質に取られる経験)などそうそう無いが、まぁ偶然と流しておき、遊園地を楽しむ事にした。

「次何乗る？」

とレン。

「コーヒーカップじゃない？流れ的に」

「どんな流れよ…まぁ、楽しいしね」

咲の発言にモモカはツッコむが、納得。
そして、コーヒーカップの乗り場に向かう探偵団を、怪しく見つめる者がいた…
そして、ふと見れば、空は妖しい紫色に。さっきまで色とりどりだった風景や景色も、いつの間にか黒などに変わっている。

「おっかしいなー、空とか変わったし、客他に1人もいないよ？」

太郎が辺りを見回し、さも不思議そうに言った。

「ひったくり騒ぎで、皆帰ったんじゃねぇの？でも、そしたら空いてて乗り放題だ」

レンが面倒くさそうに言った。
皆疑問はあるが、とにかくコーヒーカップに乗り込んだ。
コーヒーカップは動き出した。

「何か暗いわね…」

モモカが少し怯える。

「まだ昼前だぜ？」

レンもスマホの時計を見て不思議そうに言った。

「まぁ、回そう！そうすれば、きっと気分だけは明るくなるよ！」

太郎が慌てて、ハンドルを少し回した。
すると。
突然、コーヒーカップが恐るべき勢いで回り、進み始めた。

「うっわああああ」

太郎は早くも目を回す。

「何だよ、コレ！ジェットエンジンでも付いてる訳！？」

レンが慌てつつも軽い冗談を言う。

「止めてーっ」

太郎が叫ぶ。

「少なくとも無理だな、人はいない」

レンは必死に考える。

「これも、災難の1つって事？」

モモカがコーヒーカップの速度に負けないよう必死に言う。

「速すぎる、時速何十キロさ！？」

咲は飛ばされないようコーヒーカップに捕まる。

「くっそー、シャドウカンパニーめ！」

太郎は死ぬ寸前だ。

「頑張って、太郎君！」

モモカは慌てて復札を構え、

「『聖なる光、癒しを与えよ』！」

と太郎をひとまず回復。
おかげで太郎は生き返った心地に。

「おい、ちょっと待てよ」

レンが急に焦り出した。

「どうしたの！？レン君！」

モモカが問う。

「操作部屋の所、見てみなよ！人がいる！操作してる！」

レンが必死に言う。

「何で分かるの！？物影1つ無いってのに！」

咲も必死に叫んだ。

☆☆☆
なぜレンは人がいると分かったのだろう？

脅しと要求！→←空手と災難！

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