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「ねえねえ、最近あの2人仲良くない？」
「確かに。2人とも美形だし並んでたら絵になるよね」
「伊野尾が女みたいな顔してるからって山田くんに媚び売ってんじゃない？」
「高木くんと有岡くんだけじゃなくてついに山田くんにもベタベタし始めたの？ウザ」
あちこちから聞こえる女子達の声。
その中には伊野尾ちゃんを非難するようなものも混ざっていて。
目の前に立つ伊野尾ちゃんを見れば俯いてその表情は伺えない。
「伊野尾ちゃ...」
「ごめん、山田。俺のせいで嫌な思いさせちゃったね」
心配になって声をかけようとすると伊野尾ちゃんが顔を上げて。
でもその表情はすごく寂しそうだった。
「じゃあ放課後ね」と一言だけ残せば伊野尾ちゃんは教室の自分の席へと戻って行った。
俺より大きいはずのその背中はとても小さく見えた。
伊野尾ちゃんは謝っていたけど伊野尾ちゃんは何も悪くない。
寧ろ悪いのは伊野尾ちゃんを非難していたあの女達だ。
伊野尾ちゃんの傍へと行ってあげることも、伊野尾ちゃんが言って欲しい言葉をかけてあげることも何も出来ない。
伊野尾ちゃんからもらってばかりの俺は、ズルい男なんだ。
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区切りが悪くなってしまうので文字数少ないですが、すみません！！
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作者名：かすたーどばにら | 作成日時：2018年8月22日 17時
