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「はあ... 」


何度目かも分からない溜め息がまた夜の空気の中に溶けて消えていった。
もう夜中だというのにまだ明るい街の方を見てみれば楽しそうな声が沢山聞こえてくる。
俺はそんな中でただ一人ぼっち。


別に嫌ってわけじゃねえし!
好きで一人でいるんだよ。ほら、快適だしさ?


...なんてのはウソ。
俺だって一人は嫌だ。友達だって欲しいし恋人だって欲しいよ。


でも今まで誰一人だって俺と友達にすらなってくれなかったし、ましてや恋人なんて出来るわけがなかった。
それは俺が誰からも好かれない生き物だから。
みんな俺の事を恐れてる。


俺は生き物の血を吸ってそれを食糧にしている生き物。
そう、要するに吸血鬼だ。
この街には他にも魔女やミイラ男など様々な生き物が暮らしているけど吸血鬼は俺一人だ。


俺の家族はもうみんな死んでしまったし。
俺の親は母さんが吸血鬼で、父さんは人間だった。
でも二人は出会って恋に落ちて、母さんが吸血鬼だと知っても父さんはそれを受け入れた。


俺もそんな風に受け入れてくれる人を見つけることが出来るのかな...
吸血鬼にとって世界で一人だけ運命の相手がいるらしい。
母さんにとってのその相手は父さんだった。
俺からしたら母さんはとても幸せ者だ。




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ちぇしゃ猫。(プロフ) - かすたーどばにらさんのやまいの大好きです!こちらも、星の降る夜にも更新待ってます!頑張ってください! (2018年11月23日 0時) (レス) id: 418aa0a34c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かすたーどばにら | 作成日時:2018年11月10日 9時

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