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もしもの話なんて不毛だってわかってるけど
今だけは聞いてみたい。
もし、今健二郎さんに恋人がいなかったら
あなたは私を選んでくれますか？
その優しい瞳に私だけを映して
その声で私の名前を呼んでくれますか…？
「ん？どうかしたん？」
私の視線に気づいて
健二郎さんが私に問いかける。
すこしお酒の入った今なら
口を滑らせて言ってしまうかも。
私は、健二郎さんのことが…
そんな雰囲気を崩すかのように
私の視界に入ってきたのは
…登坂。
「健ちゃん、レモンチューハイのむ？」
「おぉ、ええなぁ！飲もか！」
そこ、今懇親を深める必要なくない？
やっぱり、登坂は健二郎さんの味方だから
私と必要以上に仲良くならないように見張ってるんだ。
そりゃ私だって、ストッパーの役割を頼んだんだけど
邪魔されるのはやはりもどかしい。
今ぐらい大目に見てくれてもいいのに。
「邪魔とか思うなよ」
小声で登坂が私を牽制する。
やっぱり意地悪だ。
後からよく考えれば
登坂の言うことは至極真っ当で
当然のことだった。
だけど。
私の無駄な意地っ張りと
酒癖の悪さと
恋愛における幼さと自己愛が
判断を鈍らせた。
「健二郎さん！」
立ち上がる私。
驚きの視線を向ける健二郎さんと、登坂。
「酔っ払って気分悪いんで、外行くの付き合ってくれませんか？」
「はぁ！？」
私の馬鹿なお願いに、あからさまに嫌悪を見せたのは登坂。
バカヤロウだと怒ってるでしょ？
でも
私だって必死で、ワケわかんないの！
「A、それなら俺が行くから」
「まあまあ、臣ちゃん。そんなんしたらリホちゃんがほったらかしになるやん。
…じゃあちょっとだけ外いこか」
まさかの健二郎さんからのオッケーに
喜びつつ
自分から誘ったくせに少しだけ緊張する。
そんな私の手を
健二郎さんはさりげなく引いてくれた。
私、健二郎さんと手をつないでる。
「あれ、どこ行くの、A」
立ち上がり歩き出す私と健二郎さんを見て隆二が不思議そうに聞く。
「ちょっとな、風当たりにいくだけや」
微妙な表情の隆二。
やっぱり隆二も良く思ってないんだ。
だけど
今更もう止められない。
大丈夫
今日だけ
きっと今だけだから
長い片想いが少しだけ報われるかもしれない
そんな一夜の夢を見るだけだから。
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じゅん(プロフ) - お久しぶりです。更新ありがとうございます！ (2021年7月11日 16時) (
レス) id: c029804656 (このIDを非表示/違反報告)
ちはる(プロフ) - もう、お話の続き見れないですか？(*´ω｀*)わたし、NEEさんの小説も東京も大好きです(*´∀`) (2020年5月13日 10時) (レス) id: 48e30b0c83 (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - NEEさんだー (￣□￣;)!!！・・好きです(///∇///) (2019年8月25日 0時) (レス) id: 536b1e31eb (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - NEEさん、お帰りなさい！！またツクールに来るのが楽しみになりました★ (2019年8月24日 20時) (レス) id: 1e1bf63da6 (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - いいですっ！こんな同僚2人私も欲しいです((笑))。しかも私が好きな臣ちゃん。そしてカタオモイには健ちゃん…たまりません！これからも楽しみにしています！ (2019年8月19日 20時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2019年8月18日 1時
