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ーどんなに好きを重ねてみても
叶いやしない恋があるってことを知らなくていいのにね
知りすぎてしまったのー
週末、仕事終わり、駅前のカラオケ店
もうすぐ日付を越えようというところ
飲み友達で同期入社の登坂が歌った歌は
今の私にとても沁みる歌詞で
「なに？感動で泣きそう？」
歌い終わった登坂がニヤリと笑って聞いたりするから
私は思わず強くその腕を叩いた。
「うるさいな！！」
「いってー！」
はぁ。むかつく。
ちょっと声が良くて歌が上手いからって。
心に響いちゃったじゃん。むかつく。
「拍手は？」
「はいはいじょうずじょうず。ぱちぱちー」
…ちょっと酔ってるわね、登坂。
いや、私もだけど。
クールそうな顔して実は真面目で熱い登坂とは
同期入社の中でも何故か波長が合って
こうして入社して10年経っても
飲みに行ったりカラオケ行ったりする仲だ。
今日は待ちに待った花金。
彼氏いない歴3年の私と
遊ぶ女は星の数ほどいるくせに、彼女いない歴数年の登坂は
日頃の仕事の鬱憤を晴らすべく
こうして飲み、歌、と週末を謳歌していた。
「お前ねー！
心、込めて拍手してくんない？
せっかくAのために歌ったのに」
「えぇ、えぇ、刺さりましたとも！
私の片想いにドンピシャでね！！」
膨れる私に、登坂は満足そうにニヤリと笑った。
意地悪なんだから。
「そういえば俺、この前健二郎くんが駅前でデートしてんの見たわ」
「……」
「腕組んで歩いてたし」
「…私つぎ何歌おっかなぁー？」
「めっちゃラブラブだった」
「……登坂くん。そろそろやめない？その報告会」
不機嫌そうに言う私に
登坂はまたクックッと笑った。
まぁ、笑い話に出来るくらいのことなんだからいいけど。
ひとつ先輩の健二郎さん。
隣の部署で
初めて会ったその日に恋をして
そしてその日のうちに彼女がいることを知った。
伝える前に終わってしまった私の恋は
そのまま密やかに心の中で燻っていて
燃えてしまうことのないよう
私は自身への牽制の意味も込めて
同期へと打ち明けた、というわけ。
わかっちゃいるけど
悲しくない訳じゃないんだけどね。
一応、まだ続いてるから。
伝えることは決してないだろう片想い。
♪ー馬鹿だね 私 ひとりで
夢と呼べない夢を見てたよー
登坂！！
アカペラで歌わなくていいから！！
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じゅん(プロフ) - お久しぶりです。更新ありがとうございます！ (2021年7月11日 16時) (
レス) id: c029804656 (このIDを非表示/違反報告)
ちはる(プロフ) - もう、お話の続き見れないですか？(*´ω｀*)わたし、NEEさんの小説も東京も大好きです(*´∀`) (2020年5月13日 10時) (レス) id: 48e30b0c83 (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - NEEさんだー (￣□￣;)!!！・・好きです(///∇///) (2019年8月25日 0時) (レス) id: 536b1e31eb (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - NEEさん、お帰りなさい！！またツクールに来るのが楽しみになりました★ (2019年8月24日 20時) (レス) id: 1e1bf63da6 (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - いいですっ！こんな同僚2人私も欲しいです((笑))。しかも私が好きな臣ちゃん。そしてカタオモイには健ちゃん…たまりません！これからも楽しみにしています！ (2019年8月19日 20時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2019年8月18日 1時
