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「あの、誤解ですから」
「あはは、別に隠さなくていいですよ。
不倫で説教するほど聖人ってわけでもないし」
先ほどのように愛想のよい笑みを浮かべてそんなことを言うこの男に
私の中の危険信号が点滅する。
この男、優しそうに見えて、絶対Ｓだ。
「失礼しますっ」
出きる限り動揺を悟られないように急いで書類を片付け
立ち上がる。
「あ、待って、麻倉さん、忘れ物」
しまった、ボールペン…
スワロフスキーがあしらわれたボールペンを手に
こちらへ近付いてくる彼は
一言私の耳元で囁き
私の様子を見て、ニヤリと笑った。
やっぱり危険！この男！
「遅かったな、A。トラブル？」
「いえ、すみません。帰りましょう」
車に乗り込み、エンジンをかける。
去り際に
今市が、しかもあの声で囁いた言葉が
頭をぐるぐるする。
『─動揺しちゃった？可愛い』
何なのあれ！
というか
あれしきのことでドキドキする私もどうかしてる！
あの男…今市は
最初から気づいてたんだ。
私が昨日ホテルにいた女だってこと。
そしてこの上司と不倫関係であること。
それを確信付けるために
敢えて"子供"の話を出した。
私はその尋問に易々と引っ掛かったんだ。
別に知られて困る相手ではないけど
私の弱味であることに変わりはない。
とりあえず今後、
ここに嘉山を連れてくるのは
絶対にやめておこう。
「あれ、会社戻るの？直帰じゃ…」
「すみません、仕事、思い出して」
今とても彼と過ごす気分にはなれない。
初めて私たちの関係を他人に知られたっていうのに
何も知らずに呑気な嘉山に
少し腹が立つほどだ。
「仕方ないな、また今度」
「お疲れ様でした」
モヤモヤした気持ちのまま会社のデスクへと戻ると
丁度登坂が帰り支度をしているところだった。
「あ、お疲れ様です。
どうでした、取引成立しそうっすか？」
…そうか、そういえば、あれは登坂の紹介だった。
「…多分ね」
「さすが先輩。
…あ、隆二、イケメンだったでしょ」
登坂の問いに、一瞬言葉を詰まらせる。
だめ、動揺したら。
「女には苦労してなさそうな感じね」
「んー、それはまぁ正解」
あなたの友人、本当はＳの腹黒でしょう？
…とは言えないわね、さすがに。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
