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名刺交換を終えて
改めて目の前に座る取引相手と机上の名刺とを見る。
今市 隆二。
まさかこんな形で会うなんて。
昨日の今日で鮮明な記憶も
目の前で仕事の話をする姿に更新される。
膝に置かれた綺麗な手も
微笑むと少しだけ柔らかくなる風貌も
こんなに目を引くのは何故だろう。
それよりも彼は
私が昨日の"スカーフの女"だってことに気付いているんだろうか？
「…ではこちらの条件で上と掛け合ってみます。
恐らく良いお返事が出来るかと」
「よろしくお願い致します」
仕事の話は完了。
いい話になりそうだ。
机の上に広げられた資料を片付けにかかっていると
嘉山常務の携帯電話が鳴る。
…商談のときくらいマナーモードにしてほしいんだけど。
この役員様の周りにはそんな注意をする人はいないんでしょうね？
「失礼。…麻倉さん、ちょっと先に出てるから。
では今市さん、今後ともよろしくお願いしますね」
「はい、こちらこそ」
電話を手に慌ただしく外へと出ていく嘉山常務。
…何の用事だろう？
手早く机の上の資料を片付けていると
再び今市さんが私の前に座る。
「申し訳ありません、携帯、マナー違反ですよね」
「いえ、大丈夫ですよ。
うちの社長もあんな感じですから」
お互い苦労しますね、と笑う顔は
うん、やっぱり男前。
「緊急の用事かもしれないですしね。
例えばお子さんに何かあったとか」
今市さんの何気なく発せられた言葉に
私の心は勝手にズキリとなる。
嘉山常務の妻と子供の存在は
私の存在を惨めにする。
私が彼に何も求めていないとしても。
「確かに。
嘉山は意外と自宅では子煩悩らしいですから」
…大丈夫。
こんな話、平気で出来る位には冷静だ、私。
「へぇ。自分はまだ独身なのでその感覚はわからないけど、そうなるのかな」
「私もです、想像つかなくて」
ふーん、独身なんだ？
笑顔を浮かべそう思っていると
ふっと目の前の彼の表情が変わった気がした。
あれ？
何だか雰囲気が違う？
「ってことは、二人の関係は『不倫関係』なんだ」
「…へ？」
何…？
どうして…と何も言えなくなる私に
今市さんはまたニッコリ笑う。
「昨日、抱き合ってたでしょ、ホテルで」
…頭が真っ白になった。
見られてた。
私と常務のこと。
私のこともちゃんと覚えていたんだ。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
