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「あぁ、了解。じゃあ担当の人に行ってもらうようにお願いしとく。それじゃ」




ランチから帰ると
登坂が誰かに電話をしていた。


デスクの電話でずいぶんくだけた物言いだったけど
まさか、私用電話じゃないわよね?


そんな視線に気付いたのか
電話を切った登坂が私の方へと向き直る。





「さっきの、学生の時の友達なんです」

「は?」




やっぱり私用だったの?
そう言いかけた私を登坂が慌てて遮る。




「話してたのは仕事の話っすよ?
新規取引の打診。まあまあいい会社だと思う」



…仕事か。
まぁそれならいいけど、と席につく私の方へと
椅子ごと体を寄せてくる登坂。

何か近くない?



「…なに?」

「そんな警戒しないでよ、俺のほうが緊張する」




あぁ、また。

ちょくちょくタメ口を挟んでくるんだから、この子は。


てか警戒なんかしてないわよ。





「はいはい、で?」

「あぁ、そのさっきの電話のやつなんすけど
本社所在地が先輩の担当地盤なんで…代わりにお願いしないといけなくて」





このLDH商事では
主に地域で担当が分けられており

その登坂の友達のいる会社が私の担当だという。





「まぁ、1回行って話してくるわ」

「お願いします。
…あ、惚れないでね?俺と同じくらいイケメンだから」

「…それ、自分で言う?」



さすがは登坂。

でもこの顔面なら多少ナルシストでもまぁ仕方ないか。



「で、会社の場所なんすけど」

「お、新規先か?」




登坂の説明を受けようとしているところで
いつのまにか背後にいたのは



「嘉山常務」

「そこ、僕も同行しようかな」



…は?
何を言い出すわけ?



「あー、でも常務に行っていただくほどの先でもないと思いますよ?」








登坂が言うのももっともだ。

常務がわざわざ足を運ぶ先なんて
うちの株主かメイン先1〜2社くらいのものだし


まして私は経験値の浅い新人でもない。



わざわざ着いてきてもらう理由はない……対外的には。





「まぁ新規だし、面通しくらいしとくよ」

「…わかりました。またご連絡します」




ヨロシクと言って去っていく常務の姿が消えると
大きくため息をつく私を登坂がまじまじと見つめる。





「…大丈夫っすか?
わざわざ同行なんて
常務、絶対先輩のこと狙ってますよね」




さすがは登坂。鋭い。



心配してくれてるみたいだけど


さすがの登坂もまさか
昨日のデートの相手がその人だなんて

思いもしないんでしょうね?

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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます!ビューネくんもそろそろ終わるはずなので!パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます!大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー!隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー! (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年7月31日 20時

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