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「私、もう帰るから」
「そう？まだ何も食べてないでしょ？」
しれっとそんなことを言う今市との距離は
…近い。
「…戻らなくていいの？女のコ待たせてるんじゃない？」
「あー、うん。そうだね。戻らないと」
…素直な言葉の割に身体は離れようとしない今市。
「あの、だから、離れて」
「んー…どうしようかな？」
洗面台に軽く座った状態まで追い詰められ
今市は更に私へと身体を、顔を近づける。
先程の登坂とはまた違う香りが鼻腔をくすぐり
私の頭を混乱させた。
何なの？
一体、何がしたいの？
「質問１。臣になにされた？」
「…は？」
ニコニコと至近距離で笑う今市は
その表情のまま突然私に質問を繰り出す。
「答えないと…知らないよ？」
「っ…何も！！ただ壁際に追いやられただけだしっ」
別に、嘘は言ってない。
「…質問２。臣に何て言われた？」
「……」
「好きだって言われた？」
好きだとは言われてない、けど。
返答に困る私に
今市はわかった、と頷いて微笑む。
「じゃあ、最後の質問」
ふと、今市の綺麗な指が
私の顎に触れて
今市の身体が更に近づき
頬と頬が触れそうな距離で
耳許で囁く、声。
「…俺と臣、どっちがドキドキする？」
かすれたような
今市のいい声が囁いて
私は全身に電流が駆け巡ったかのよう。
この声は卑怯だ。
登坂にも正直ドキドキさせられたけど
今市の声と
それから優しく私の顎に触れる美しい指が
柔らかく私の唇に移動して
私は息をすることすら忘れてしまう。
「どっち？…ね、教えてよ」
ぞくぞくと、背筋を駆け巡る何か。
頬が熱い
身体が熱い
このままではいけないと
私は拳を握りしめると
今市の身体を押し退けた。
「っ…どっちも、ドキドキなんかしてない！」
この言葉が強がりで説得力のないことくらい承知してる。
だけど屈してはならない。
そして今市も、操り人形のようになる私を求めてはいない、…多分。
「…そっか、残念」
ようやく離れた今市は
怒りもせずまた人懐っこく笑う。
「じゃあ俺、もっと頑張らないとね」
「何を…」
「あなたにもっとドキドキしてもらえるように」
…これ以上されたらきっと、正気でいられない。
本心は言わずに済んだけど
今市の余裕の笑みに、私は勝った気がしない。
何よ、もう
悔しい。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
