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「それじゃ、また連絡するから」
「はい」
画廊で待ち合わせてそのままシティホテルへ
そして事を済ませればそこで別れるのが
いつもの流れだった。
ホテルは必ず隣の市まで足を伸ばしていた。
万が一にも、会社の人間にバレるわけにはいかないし
仮に運悪く見つかっても最悪取引先との接待と言えば誤魔化しがきく。
「A…」
ロビーの隅で
彼は私を抱き寄せる。
「…常務、人がいます」
「大丈夫、知り合いなんかいないよ」
どうしてこうも男っていうのは
いくつになっても肝心な所で詰めが甘いのだろう。
こんな風だから
世の中の男性陣は浮気がすぐに見つかってしまうんだ。
「…お疲れ様でした。また」
名残惜しそうな彼から離れて
私はロビーの出口へと向かった。
最近、とみに彼の人目を気にしない行動が目に余るようになってきた気がする。
別に彼の家庭を壊したいわけではない。
そろそろ潮時だろうか？
そう考えながら
そう言えば何か連絡はきてはいないかと
鞄から携帯を取り出すと
「…あっ」
ひらひらと鞄から落ちたのはスカーフ。
拾おうと追いかければ
それは床につく前に誰かの手に掴まれる。
…きれいな手。
そっと視線を上げると
その手の主と目があった。
黒髪に洒落た濃グレーのスーツ。
綺麗に調えられた髭は決して不快ではなく
その男は私を見てニコリと微笑んだ。
「間に合った、良かった。…はい」
…いい声。
向けられる笑顔に少しドキリとしながら
私は彼の手からスカーフを受け取った。
「ありがとう」
「どういたしまして」
最後に微笑んで挨拶をしたあと
颯爽と去っていく彼の後ろ姿を一瞥して
私もホテルの出口へと急いだ。
ちょっといい男だったな。
今日はまあまあいい日かも。
そう思いながら
私はホテルを後にした。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
