104 ページ8
"なぁ、何、自惚れてんの？"
"自分が女王様にでもなったつもり？"
"お願いします、だろ？"
…あぁ！！
もう何とかして！！！
信じられないことに
あの夜を境に、私の頭からは男の発した言葉が離れない。
余程悔しかったのか…
ていうかそもそも悔しいって何に？
あの男はワンナイト！
親友にもやめとけと止められ
恋人候補がいるのに
こんなことを考えてしまう時点で
私の負けだ。
意地でも絶対に次は誘いに乗らない！！
とか言いながら、気になるのは棚の奥。
そっと取り出すのは
ゴールドのチェーンに付けられた、鍵。
あの男はどういうつもりで鍵を渡したのだろう？
ていうかあの部屋で待ってたらすぐ飛んでいくとか言ってなかった！？
やっぱり、腹立つ。
『で、見つかった？忘れもの』
「…もういい」
その週末直人から電話がかかってきて、
また思い出したくもないことを思い出させられる。
話題をそらそう。
「で、なんの用？それが本題じゃないでしょ」
『そうそう！A今日暇？』
「…暇だけど」
『DJやってる友達のクラブイベントあるんだけど、来ない？』
…出た。
ダンスを趣味でやっていた直人は
この手のイベントに詳しい。
私も数年前までは行ってたけど
「さすがにもうクラブは卒業したんだけど」
『大丈夫！今回割りと年齢層高めだから！多分！
Aもまだ20代に化けれる！！多分！』
その多分は余計でしょ。
まぁでもいいか、暇だし。
「何時から？」
『19時！駅前のビルんとこな！お洒落してきて！』
…はいはい。
何でもいいから気晴らしがしたい。
とにかくこのむしゃくしゃした気持ちを解消したくて
私は鏡に向かった。
「化けたな…」
「素直に綺麗って言えば？」
駅前で待ち合わせた直人は、私を見て開口一番そう言った。
「はいはいきれいきれい」
「直人も若く見えるよ！」
「ありがと……ってこのやり取り余計に悲しくなるわ」
とりあえず見た目は30代には見えない私たちが
ビルの入口で話していると
「おっ、きたきた」
「直人さん！…Aちゃん！？」
「サプラーイズ！！健二郎も呼んじゃいました！！」
「え…」
「驚いた？」
告白を受けて以来の健二郎くんとの再会。
それも勿論驚きなんだけど
その後ろで
サングラスに革ジャンの男がビルに入って行くのを見て
私は、言葉を失くしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2334人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの？とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (
レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます！！ (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)！NEEさんのお話大好きです＼(^^)／NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)！ (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく！隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：NEE
| 作成日時：2016年4月14日 22時
