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男は私に気付いているんだろうか？
背中に感じる男の気配は目で見てなくとも気になって仕方がない。
振り向いて気付かれては困るし
もっとも、既に気付かれているのなら
知っていて見せつけているのだから更に癪だ。
って、私、何でこんなに動揺してるの！？
あの男がワンナイトを繰り返していることはわかってるし
別に私とあの男は何の関係もない。
何回か寝ただけじゃない。
だけどあの男が他の女といるところを見るのは初めてで
私に向けられていた極上の
声が
指が
…唇が
他の誰かに向けられているのを見せ付けられて
胸の奥がひっかかるような
そんな感覚がして…。
「あれ、A…やっぱり顔色悪くない？
体調悪い？酔った？」
「別に…」
「A、ワイン飲むと悪酔いするからなー！前も二日酔いで関節が痛いーとか言ってなかった？」
「……」
「って、エリカ様かよっ！」
直人の突っ込みも頭に入らない。
頭を巡るのは私の背中で繰り広げられている二人の声で…。
「ねぇ、そろそろ」
「まだモエ残ってんだろ？」
「でも本当にこれ以上飲んだら立てなくなっちゃう」
「かまわねぇよ。お前一人くらい訳ないし、どうせあとでもっと立てなくなる…」
やだ、やめて。
何なのこの気持ちは。
「直人」
「…んー？」
「帰ろ」
「えっ、何、いきなり」
もう堪えられない。
「明日仕事だし！すみません、チェック…」
鞄から急いで財布を出した。
そのとき
カチン、と音を立てて鞄から落ちたリップ。
円柱をしたそれは床を転がり、よりによって…
一番関わってはいけない人の足先で止まるなんて。
恐る恐る後ろを向くと
あの指でリップを拾い上げる男と目があった。
ゆっくりと椅子から立ち上がった男は
こちらに歩いてきて、私の前で止まる。
「落としましたよ」
口の端をあげて笑う男を見て
私はすぐに反応が出来なかった。
「A、何やってんだよ」
立ち尽くす私を、隣の直人がせっついて
ようやく私は我にかえる。
「あ、ありがとう…」
彼の手からリップを受け取るとき
軽く指先が触れて
まるであの夜、私の身体に触れた時のように
一瞬だけ、そう、感じたものだから。
「…っ！！」
「…何か？」
動揺する私に
ニヤリと笑う男。
隣の直人が気付かないように
この男、私を挑発してる。
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ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの？とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (
レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます！！ (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)！NEEさんのお話大好きです＼(^^)／NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)！ (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく！隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年4月14日 22時
