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健二郎くんに告白された帰り道。
なぜ、私はすぐに彼の気持ちに応えられなかったのか
苦悩していた。
健二郎くんの結論は出ていた。
元カノの前ではっきり伝えた彼の気持ち
未練がないというのは間違いないと思う。
ただ。
きっと何か問題があるとすれば私なんだ。
私の中にいるのが健二郎くんだけだったら
思い悩むことは何もないのに。
ぼんやりとしたままでも働く帰巣本能により
気づけば自分の家に間もなく着くところ。
部屋の鍵を取り出そうと鞄を開けると
"鍵"が目についた。
持って帰ってきてしまった。
二度としてはならない現実逃避。
前回、彼は相変わらず朝には消えていて
それについては私も慣れたものだけれど
始まれば毎回毎回気が抜けないのに
あっという間に自分の意識の外に行ってしまうようなあの男との蜜の時間と
それから初めて私の名前を呼んだ、いい声。
名前を呼べば情がわくと言ったけれど
名前を呼ばれた方だってたまったものじゃない。
思い出そうとせずとも頭の中でリピートされる。
"A"
「はぁ…」
これが"ハマる"っていうんだろうか？
好きとかそういう感情とはまた違って
視線も
身体も
声も
それから触れる全て
愛のない行為でこんなにも良いと思えるなんて。
部屋に入り、鏡を見れば
首筋に赤い痕。
直人に指摘されて今日はストールを巻いていった。
今日だけは、健二郎くんに触れられる訳にはいかなかった。
説明したところで理解は得られないだろう。
"好きとかじゃないし、名前も何もしらないけど
ただ身体の相性が良くてつい"
…言えるか、そんなの。
それにしても
相当強く付けたみたいね。
青に近いアザになっているのに全然気がつかなかった。
それだけ意識が別のところに向いていたってことだ。
そっと指で触れてみる。
"A…"
またあの声が、脳内をリピートする。
"もう一度"
禁断の感情が頭を巡る。
いけないと理性が働こうとしても
私の身体は思い出す。
もう二度と会わないと何度も決めたのに。
私は鍵を鞄から取り出すと
棚の奥にしまいこんだ。
こんなことしてる場合？
やめなきゃ。
まともな恋愛、するって決めたんだから。
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ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの？とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (
レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます！！ (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)！NEEさんのお話大好きです＼(^^)／NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)！ (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく！隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年4月14日 22時
