mission 2 ページ2
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「光くん！」
「お前遅い」
「しょうがないよ！諦めよ？」
「……待ち合わせするのやめよっかな」
「えー！？」
高校の入学式はあっという間に過ぎ去り、気づけば高２。
新学期を迎え、親友の大ちゃんと登校する日々が今日もやって来た。
それなのにこいつは、小学生の頃から相も変わらず遅刻常習犯のままだ。
高校生にもなれば目覚ましで起きられる奴がほとんどだってのに、母親の鬱陶しい叫び声でも、俺のモーニングコールであっても微動だにしない。
因みにこの会話は毎日欠かさずやっている。
今やご近所の恒例と化しているんだから、俺だって幾らなんでも恥ずかしい。
大ちゃんも恥というものを知るべきだよ。
「俺クラス分け見てくる！」
「大ちゃんの背じゃ無理だろ。俺が見てきてやるよ」
「チビをバカにすんな〜」
結局混雑した生徒の合間を掻い潜って、二人がかりで貼り出されたプリントを隅から隅まで目で追いかけた。
私立
この学校の総生徒数は約600人。
１学年約200人、５クラスあって、毎年幅広い場所から大勢の受験者が押し寄せることになる。
ここらでは割と有名な高校だ。
「大ちゃん、同じだよ」
「え、マジか！超嬉しい！良かったー」
「喜びすぎ。みんな見てるから」
落第もせず、晴れて２年Ｂ組の生徒となれた俺らだけど、高校で彼女作ろうって目標は依然として目標のままだった。
「ねぇどうして学年が上がる度に１階分も教室が上がるわけ？」
「先生に聞けよ」
「だってさ？俺ら段々年取ってってんだよ！？先生はエレベーター使ってお気楽〜なのに、俺らは階段を必死こいて上らなくちゃならないんだよ？」
「疲れるなら喋らなきゃいいのに」
「喋るから疲れるんじゃないんだって！疲れるから気を紛らわしてるの！」
「はいはい」
こんなにも面倒な奴なのに気がおけない間柄なのは、彼の性格がいいことにある。
大ちゃんじゃなかったら俺は、今ここにいることさえなかったんだし。
この親友には感謝してもしきれないんだ。
「ところで伊野ちゃんは？」
座席確認を済ませ一人席に着いた俺のもとに、トイプードルみたいに落ち着きのない１匹が。
男女共学だからなのか、女子も男子もちらほらと塊を作って仲良しこよしだ。
大ちゃんだって俺と関わったりしなければ、素敵な青春を送れた筈なんだけどなぁ。
「……今日もほわほわしてるよ」
「なんだよそれ〜」
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作者名：柊 | 作成日時：2018年10月12日 19時
