跡部にひたすら気に入られてる女子がいるらしい【テ/ニ/ス/の/王/子/様】 (ページ25)

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気に入られた24 ページ25

「氷帝テニス部を全国大会へと…いや、優勝へ導いたら俺様と付き合ってくれないか」

予感は的中していた。

真剣な顔つきで話があると言われ、まだ部活で残っている跡部を置いて裏庭に来た。

妙に世間話とかそういう軽い話題のような話ではなさそうで、

まだ子供の私はもしかして恋愛のことなのだろうかといやいや違うだろう相手はあの跡部だ

と浮かれながら否定し続けていた。

そうしている内に跡部が目の前に現れる。

いつもと雰囲気が違う跡部に体がピシリと動かなくなる。

目も合わせずに直立すること数分。

ざりっと目の前の人物が靴で土を撫でる。

そして目を合わせてとんでもないことを言ってきた。

「氷帝テニス部を全国大会へと…いや、優勝へ導いたら俺様と付き合ってくれないか」

突然のことに吃驚して思わず目を丸くする。

なんでという言葉が掠れて口から零れた。

予想通りだったのかフッと笑うだけの跡部だが表情はいつも余裕な跡部ではなくて

直感的に嗚呼、本気なのだ。と分かった。

私の答えは決まっているも同然というか

むしろその言葉を待っていた。

だから嬉しくて涙が溢れそうになる。

「こんな、私でいいんですか」

「あーん？お前だからいいんだろうが」

だんだん近づいてくる跡部の顔が涙でぼやけてよく見えない。

近くに来た跡部はいつの間にか零れていた涙を親指で拭った。

「俺の女になれよA」

その言葉に私はただただ頷いた。