優しい嘘と冷たい言葉 (ページ39)

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ノートを受け取った優希はボソリと

「心配してくれてんだ
…絶縁したのに」

と言った

「絶縁…って、変なこと言わないでよ
確かに喧嘩別れみたいな形にはなっちゃったけど
私は優希のこと、友達だと思ってるよ」

「あれ？レベルダウンしてない？
あれ？親友じゃなかったの？えぇ…
それってお姉ちゃんと梨愛の関係と変わらないってこと！？
はぁーショック…私ショック」

…チラチラと私を横目で見ないでよ

「だぁっごめんって…
親友だから！私と優希は親友！」

「…ほんとに思ってる？」

「…優希…入院してる間にめんどくさい性格になったね、あと我儘に」

「仕方ないじゃん…普通の…今までの生活とは違う場所に入れられてだよ？
そこで何年も過ごしたらだんだん気が病んでくるわけよ」

「…見るからに元気そうだけど」

「私はいつでも健やかだからね
気が病むというか…ひねくれるというか…」

「…まぁ、人の性格は育った環境でかわるっていうしね…」

優希は納得したようにうんうんと頷いた

「まさにその通り」

そこまでいい
病室の窓の外を見た

「そろそろ帰った方がいいんじゃない？」

「…？まだ面会終了まで時間あるでしょ？」

「いやそうなんだけどさ
ほら、女の子が暗くなった道を1人で歩くとか危ないでしょ？」

「大丈夫だよ、私そんな美人さんじゃないし」

「…そういう油断はしちゃダメなの
だからまだ明るい、人気の多いうちに帰りなさいな」

…やけに心配してるな…
まぁどんなけ我儘でめんどくさくなろうが根はあの時のままなんだろうね
優希は環境が悪いとか言ってるけどわたしは思春期って思うんだけどね

「分かった、そこまで言うなら今日はここで帰るよ」

「ん、それがいいよ」

「…1つ聞いてもいい？」

「…何？」

「そこまで言うってことはあったのよね？
過去に事例とか…」

「…そんな事例日本中何処にでもあるでしょ」

「そうだけど…」

「…とっとと帰りなさいな
何かあってからじゃ遅いんだからね」

「…うんじゃあね」

「ん、バイバイ」