優しい嘘と冷たい言葉 (ページ26)

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まぁ、それがあって家族関係もそこそこ良くなったかな？って感じだったのよね

…ただ、彼女の友達関係は相変わらず…いや、むしろ悪くなってるかもしれない
今までは居場所がない程度で相手に話しかけたら受け答えぐらいはしてくれていた

…だけれど
その時から無視や軽くぶつかられるなど
それも何人かではなくクラス全員から
最初は気にかけてくれていた子達も
自分は巻き込まれたくない気持ちで彼女を無視するようになったわ

彼女は完璧に学校での居場所をなくしてしまった
辛くてどうしようもない時は
妹のいる病院に無意識に足を運んでいたの

妹には学校のことを全部話したの
妹は何も言わずただ、彼女の話を聞いていただけ
それでも、彼女は…少しは楽になったと思う
人に話してみると結構変わったりするのよ
口に出すこともたまには大切ってことだね

…時間を飛んで…
彼女が中学校を卒業した日、また妹の病室へ行ったの
妹の病気はだいぶ良くなって…といっても完治はしていないんだけどね
妹は病気がまた悪化しない限り家でも普通に生活出来ると医師はいったの

だけど、両親は妹を家に帰らそうとはしなかった
理由は多々あると思う

彼女はそれが認められなかったんだろうね
彼女からしたらどうしてそんな意地悪をするのか疑問だったんじゃないかな
家族なんだから支えあって生きていくのが普通でしょって
彼女は両親に向かって訴えかけたの
両親も困ったと思うわ
こうなってしまった彼女を止めるのは難しいことだった
意外と彼女には負けず嫌いなところがあってね
1度爆発した感情を誰かに止められるのは
悔しかったしやりきれない感じもしたんだろうなぁ

そんな彼女を止めたのは妹だった
妹は「お母さんとお父さんにだって事情があるから仕方ないよわたしは皆がいっぱいあいに来てくれるから嬉しいよせっかく皆の仲が良くなったのにまだ完治してない状態で家に帰っちゃったらまた皆の関係が悪くなるかも知れないよ
私はそれが嫌だだから入院生活を続けることに抵抗はないかなありがとね私のために怒ってくれて」
それは強がりじゃない
妹の本心だった
確かに妹も家に帰りたいという気持ちはある
だけど、それ以上に家族関係が悪くなるのは嫌がっている
家族が仲良くいてくれるのなら
ここにいてもいいと思っているんだろう

彼女には妹の気持ちが伝わったのだろう
彼女はそれっきり黙り込んでしまった

…そのあと
妹が姉にとあるお願いをした
妹の友達の理解者になってほしいと