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「…あのさ、もうあの子と関わらないでおこうよ」
朝のHR前の教室
所属グループの中心的な存在でいつもグループをまとめている大塚 雛がそう行った
グループの皆はまるで電池が切れたロボットようにすっと静かになった
…いや、固まったという表現の方が正しいかもしれない
大塚雛は気の強い所もあったがそんな誰かを仲間外れにするような人ではなかった
…だから尚更、大塚雛の言った言葉を私は理解出来なかった
重い沈黙を破ったのは大塚雛と幼い頃から仲のいい朝比奈 椛だった
「え?関わらないでおこうって…どうしたの…急にそんなこと…」
彼女自身も何が何だか理解出来て居ないのだろう
いつもは言いたいことはキッパリという子なのに今回は珍しくしどろもどろになっていた
「私だって出来ればあの子のことは仲間外れみたいなことはしたくないけど…
…ほらあの子結構皆からひどい言葉言われてるじゃない?」
その言葉に後に続く言葉はだいたい予想ができた
「…だからさこれ以上あの子に関わったら私たちまで何か言われるかもしれないじゃん…
だから、そうなる前に関わりをやめた方がいいかなって…」
大塚雛はチラリとあの子…桜丘 梨愛を見ながらそういった
その目は酷く寂しそうにも見えた
…結局大塚雛の提案に賛成した人はいなかった
だけれど反対した人もいなかった
そのまま、朝のHRをむかえた
…みんな、肯定も否定もしなかったけれどあの空気が意味することはもう分かっている
明日…いや、このHRが終われば
私達はもう桜丘梨愛には一切関わらないのだろう
HRの終わりを告げるチャイムは…
私たちの友情の終わりを告げるチャイムでもあった
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夢咲花 - これからがとっても楽しみです (2019年3月5日 15時) (レス) id: 3588ccbe80 (このIDを非表示/違反報告)
夢咲花 - 書いてくださってありがとうございます (2019年3月5日 15時) (レス) id: 3588ccbe80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小夜時雨 | 作成日時:2019年3月4日 20時