【文スト】白虎の片割れ。第二幕

Episode.62 - Wait ページ25

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昼過ぎ。
今日はアルバイトも無いし、少しゆっくりめに買い出しに行ってもいいかな。



「…ん、肌寒いな…」



何か羽織れる物は無いか、と箪笥(たんす)を弄(まさぐ)る。







「…あ」



黒い和風の防寒外套(マント)。
そういえば、去年の冬終わりに蔵(しま)っておいたんだっけ。



此れならきっと寒くないよね。







.



かちゃ、とドアノブに手を掛けた。



「じゃあ、鏡花。私、お夕飯の買い出しに行ってくるかられ



と、居間の鏡花に呼びかけた。







「…あ、待って、姉様」





鏡花は私の着物の袖口をきゅ、と掴んだ。



「…どうしたの？」



少し俯いた顔を上げた鏡花。



「姉様、一緒に行っていい…？如何しても、今日は一緒に行きたいの」



…こんな事言うのなんて、珍しい。



でも、何だか嬉しいかも。







「…勿論。少し待ってるから、支度しておいで？」



鏡花は、うん、と一言返し、居間へ支度に戻った。




私も、持ち物に不備がないか、身だしなみは大丈夫か確認した。



着物の袖口や、防寒外套(マント)も。







鏡花には、変なの、と思われたかな。

玄関前で、鼻唄を歌いながら待った。







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Wait=待

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