【文スト】白虎の片割れ。【中島敦】

Episode.34 - Screaming ページ36

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「やっと、治まって……」



先刻までずっと私にまとわりついた喘息の発作。



嗚呼、喘息なんて、この世からなくなってしまえばいいのに。



動けなかった。



「お父様、お母様、鏡花…」







身体が重いけれど、行かなきゃ。



先刻のは何だったの？みんな、大丈夫だった？
って。ちゃんと、聞いて来ないと。








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───────







「………え…」







違う。此れは違う。きっと違う、いや、絶対に違う。



そんな…、そんな事無い。無いはずだ。



きっと、お父様もお母様も少し倒れて寝ているだけだ。



「お父様、お母様、起きて」



「───────



「そんな、私を吃驚させようとしているんでしょう…？
そんな冗談、私には効かない、よ…？」



…嫌だ……！



「ねえ、鏡花……隠れてないで、出ておいでよ…！」



……嫌だ…！認めたくない！！



お父様とお母様を中心に広がる血溜まりは、依然として変わらない。







…変わる、はずが無い。





突然、部屋中に誰かの絶叫が響き渡った。
莫迦、誰かの絶叫、だなんて。



此処には、私ひとりしかいない_______。









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Screaming=絶叫

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