＃5 ページ6
＊ ＊ ＊
「いやぁ、上級と殺り合うの久しぶりやからな、上級の草！...楽しみやわぁ」
「...お前は、なんの...」
「俺？あ〜......そう言えば言っとらんかったな」
ゾムは笑みを浮かべながら「解」と呟くと、能力で作り出した二本の短剣を両手に握りしめた。柄の部分はどうやら蛇の皮で作られているようで、黄色と黒の危険色が目立っている。
「俺は天邪鬼の上級の
そう言った瞬間、ゾムは素早く間合いをつめると短剣を振り下ろした。一瞬反応が遅れると、シャークんは長剣を顔の前で構え、二本の短剣は火花を上げて受け止められた。
すぐに飛び退き、再び素早い剣捌きで接戦が繰り広げられる。
シャークんは復活したてでも、戦力は劣っていなかった。初めはゾムが優先だったが、段々と感覚が戻ってきたのか少しずつ押している。
ゾムは、剣では勝ち目がないと判断したのか、力任せに短剣を振り下ろすと一番後ろの壁まで飛んだ。シャークんは少しよろけると、再び体勢を立て直す。
「やっぱ獣使いは能力使ってこそや、....
そう唱えた瞬間、ゾムは左から右に円を描くようにゆっくりと右手をスライドさせると、ゾムの立っている床が波打ち始めた。
そして床は淡い緑色に発光し、辺りがまばゆい光に包まれると＿＿
目を開ければそこには、三匹の狼が、ゾムを取り囲むようにしてシャークんを睨んでいた。
「ほら、獲物や」
「俺は喰われねぇよ」
ゾムがシャークんを指差した瞬間、三匹の狼は遠吠えを上げるとあっという間にシャークんを取り囲んだ。じりじりと間合いをつめるように、狼はゆっくり周りを回る。
「動物愛護団体に申し訳ねぇな」
シャークんはふっと笑うと、大きく跳躍して一番近くにいた狼に斬りかかった。狼は素早い身のこなしで避けると、足に噛みつこうと牙を剥いた。
シャークんは一歩下がると、続けて二匹の狼も飛びかかろうと走ってくる。
三匹いると中々厄介だな、そんなことを思いながら。シャークんは低く腰を下ろして剣を構えると、目に留まらぬ速さで剣を振り抜いた。
キャインと、甲高い鳴き声が響き渡る。
シャークんの振り抜いた剣は、見事に一匹の狼の首を斬り裂いていた。
あふれ出す血と共に狼は倒れると、そのまま床に吸収されるようにして体が沈み、消えていった。
「あと二匹......！」
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CA(プロフ) - かりんとうさん» コメントありがとうございます。そう言って頂きとっても嬉しいです!(^^) ゆっくり更新となりますが、私なりに頑張って番外編を制作中ですので、機会があればそちらもよろしくお願いします。最後まで閲覧ありがとうございました!! (2020年3月14日 0時) (
レス) id: 8d937f2b1a (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう - めっちゃ天邪鬼面白かったです!番外編楽しみにしてます！CAさんのペースで更新お願いします！(語彙力ない) (2020年3月13日 23時) (レス) id: dd325e7063 (このIDを非表示/違反報告)
CA(プロフ) - (名前)SOSORARAさん» コメントありがとうございます。受験お疲れ様でした!(^^) コラボ中心に更新ですが、たくさんのお声があって作成に至りました。近日公開ですので、よろしければ是非!! ( ´ ` ) (2020年3月11日 16時) (レス) id: 8d937f2b1a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)SOSORARA(プロフ) - 天邪鬼また新しい話が読めるので嬉しいです！！私も今日受験が終わったので、それとこみで本当に好きな話なので待ってます(*'▽'*) (2020年3月11日 15時) (レス) id: 9690945b39 (このIDを非表示/違反報告)
CA(プロフ) - らいら@金春色さん» コメントありがとうございます。「Fin」には本作で伝えたかったことを詰め込んで書きました!(^^) 番外編、更新速度は落ちるかもしれませんが頑張ります! 閲覧ありがとうございました! ( そうです、キャビンアテンダントです笑 ) (2020年3月7日 10時) (レス) id: 8d937f2b1a (このIDを非表示/違反報告)
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