喫茶アリエス (ページ11)

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ﾁｬﾆｮﾙ『A、本当に…ごめんな。』

ﾁｬﾆｮﾙの指が遠慮がちに私の頬に流れる涙を掬った。

A『ううん。大丈夫だよ。ありがとう。』

ぐしぐしとタオルで涙を拭いてﾁｬﾆｮﾙを抱きしめた。

A『全国のﾁｬﾆｮﾙペンの皆様…私はﾁｬﾆｮﾙを抱きしめています…ありがとうございます。』

ﾁｬﾆｮﾙ『ちょ！なんだよぉ！！』

A『なはは。そんな神妙な顔しないでよ。ハグぐらいいつでもしようぜ！友達友達。
Tシャツ持ってくるね。ちょっと待ってて。』

ﾁｬﾆｮﾙの体からバッと離れて顔を覗くと捨てられた子犬みたいな顔してる。

今はムシムシ。

とりあえず服を着替えたﾁｬﾆｮﾙがなぜか腕を広げて私の前に立ってる…。え、なに？

ちょっと私の大きめのTシャツでもﾁｬﾆｮﾙにはキツそう。165って結構女にしては大きいと思ってたけど…185、かつ体も鍛えてるとなるとダメなのか。なるほどね。

ﾁｬﾆｮﾙ『Aー？』

A「んーー？」

目の前の巨人を置いてきままにテーブルで読書中。ふと顔をあげると不安そうな子犬(大型犬？)がこっちを見てる。

ﾁｬﾆｮﾙ『また来てもいい？遊びに来るだけだからさ…。』

私はこの人を傷つけちゃったんだな。そう思った。Tシャツにプリントされた子犬を撫でながらうつむいたﾁｬﾆｮﾙを見てると心が痛くなる。

A『はぁ…当たり前じゃん。また遊びに来てよ。今度はココアじゃなくてﾁｬﾆｮﾙ来訪用に美味しいコーヒー調達しとくし。ちゃんと連絡してから来てね？』

目を合わせて言うと見えないしっぽがブンブン振られてる気がする…。な、なに？(2回目)

じゃ、お邪魔しましたー。と靴を履いてドアノブを掴んだ瞬間

ﾁｬﾆｮﾙ『あっっ！！！』

声でっっっっっか。

それでなくてもおっきいお目目をもっと大きくしてﾁｬﾆｮﾙが勢いよく振り向いた。

ﾁｬﾆｮﾙ『電話番号！カトク！知らない！』

そんだけの事ででっかい声出さないでよ…。

ﾁｬﾆｮﾙ『そんだけの事ででかい声出すなって言いたいの？大切な事だろー？』

A『勝手に心読まないで！スマホ取ってくる。』

ニヤニヤしやがってこいつ……。

無事連絡先を交換して満足気なﾁｬﾆｮﾙがドアが閉まる瞬間、ニコッと微笑んだ。

A「えーーーっっイケメン…………」

イケメンは罪だなぁ……。