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「あー俺は力です。
それでヌナ逃がしたんですよ。」
力?それにしては私の思っていた感じと違う。
ギョンスさんの能力も力だと聞いたが……まぁ、相変わらず記憶は戻らないからもしかしたら一緒なのかも分からないのだが漠然と違う、と感じた。
そんな私の表情を見て何かを感じ取ったのか、サン君がコイツのは少し違うんですと付け加えた。
「今までの力の能力は単純に自分の筋肉を壊して物理的な力を増強するものだったんですが、ジョンホはそれに加えて能力や空気といった実体のないものに対しても物理的に干渉できるようになるんです。
俺達もこういうのは初めてなので……ヌナが感じてる違和感も多分それですよ。
ちなみに俺のはさっきも見たと思いますが召喚ですね。まぁぬいぐるみが媒体なので召喚と言っていいのかわかりませんが。」
媒体、と言う割には随分と愛着があるようだが……未だに彼の腕の中に納まっているシバと呼ばれた犬のぬいぐるみを見る。まぁ、この件には詳しく触れないでおこう。
「それで俺が透視です。
勿論物の中身とかも見えますが、さっきみたいに考えてることとかも分かるんですよ。
ただ、物以外はまだ慣れてないので反動出やすくて……さっきみたいに考えてることが駄々洩れになっちゃうんですよ。」
成程、ヨサン君は先程質問だけ出し私がそれについて考えたことを拾ったということか。正直あの時は眠たくてほぼ何も考えていなかったような気がする。本当に申し訳ない。
朝食の後、私は3人に他の皆さんについて名前をメインに教えてもらうことに。
ちなみにインターネットの件も伝えたら、彼らの使っているものを使えるようにしてもらえた。繋がった途端、1分近くメッセージアプリの通知音が鳴りやまず4人でしばし恐怖したが。
確認すると連絡先を教えた記憶のない人を含め至る所から何通も連絡や着信が届いており、面倒になったので読むのは後にして先に皆さんの案内をしてもらうことにした。
「――あれ?
ヒョン達がいない。」
見つけた順にウヨン君、ミンギ君、そして私が初日に見つけたユノ君を簡単に紹介してもらいながら部屋を回ったところで3人が顔を固くした。
彼らもこの屋敷の全貌は知らないようで、扉の開く部屋をしらみつぶしに探してみたが、人らしきものは見つからない。
しょうがない、とサン君が口笛を吹いた。
するとずっと抱いていたぬいぐるみが見覚えのある犬に。
「シバ、ヒョンを探して。」
シバは小さく鼻を鳴らし頷いた。
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Tie(プロフ) - 初めまして。ateez目的で読み始めましたが、(地球滅亡の方と共に)とても好みの作品で1作目から何周もしています。もう更新されることは無いかもしれませんが、こんなに面白い作品を作ってくださりありがとうございました。楽しく読ませて頂きました。 (2022年9月3日 17時) (レス) id: 031775e238 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - かまみのさん» 初めまして、お褒めの言葉をありがとうございます。更新やレスポンスにお時間が開いてしまいすみません。本編終了後にはもっとじっくり彼らとの小話も書いていきたいですね……!コメントありがとうございました! (2020年10月10日 21時) (レス) id: 2ace97a462 (このIDを非表示/違反報告)
かまみの(プロフ) - めっちゃ面白い!NCT好きだから出てきて嬉しい (2020年9月2日 23時) (レス) id: 30d38f5d7d (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - オンマさん» 初めまして、温かいコメントをありがとうございます!最近忙しくて、前のように頻繁に更新できるかは分かりませんが頑張りますね!私もハマっているので同じ趣味の方がいらっしゃって嬉しいです^^ (2020年5月7日 1時) (レス) id: 959b48d95f (このIDを非表示/違反報告)
オンマ(プロフ) - はじめまして。 この話を見つけてイッキ読みしました^^ のめり込んでいます。 面白い。 頑張ってください。 私は、ATEEZにハマっています。 (2020年5月6日 21時) (レス) id: 51e1e6ee34 (このIDを非表示/違反報告)
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