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＊
私のチケットを確認してくれたお爺様に手を振り返しながら、私は昨日から丸1日近くお世話になったフェリーを見送った。
そして辺りを見渡す。
流石人が絶えて長く経った土地だけある。
草は伸びまくり、港の案内所であったであろう建物の塗装は剥げまくっている。
しかし道はクラークが入っているもののしっかりと舗装はされているし、見た目を言わなければ建物らしき影が奥に結構見える。一応人が住んでいたであろうことはそこから分かった。
さて、早速中を散策しようとキャリーを引っ張ったら何かにホイールが引っかかったようで前に軽くつんのめった。振り向いて確認すると、私の背より少し大きな、地面に突き立てられた木の棒。
恐らく船を長く泊める際に潮で流れないように固定していたんだろう。キャリーバックをそこからずらし、今度こそ中へ、と思った時。
何かが引っかかってひらりと風に靡いている。
今にも飛んでいきそうなそれに好奇心で手を伸ばす。
「何これ……ネームタグ?」
手中に収まったのは指の長さ位の、破られた紙製タグらしきもの。そこには『GHO』といかにもこの国の名前の末尾にありそうなスペルが綴られていた。もう一文字前はNともMともIともHとも取れそうな半端なちぎられ方をされていてよく分からない。
ひとまず、持っておくことにしよう。
このまま捨てては海によくなさそうだし。
今度こそキャリーバックを掴みなおし、ゴロゴロと音を立てながら島の内部へ足を進める。
一応どこか拠点となる場所を日が暮れるまでに見つけたい、のだが……そもそも居住可能そうな建物自体が見当たらない。勿論スーパーなんて機能していないだろうと思いつつ、偶然見つけたそれらしき建物に足を踏み入れる。
「……そりゃあ、何もないか。」
お爺様の認識を全て真とするならば、ここは半世紀無人島。
病が原因だったせいか、商品自体は陳列されているのだが……店に漂う悪臭が現実を突きつけた。
本当にこんなところへ兄達はいるのだろうか?
いや、今はその情報を信じるしかない。
更に数キロ、町に残されていたギリギリ解読可能な掲示地図を読み解き、だいぶ奥まったところまで足を進めた。
「う、わ……」
そして目の前には遺跡と見紛う程の平屋巨大建築。地図で見たのだが、すごい面積だった。どうもここは月に1度のフェリーで観光客を呼び寄せるための施設だったようで。
地図では熱のこもった説明がされていた……まぁ掠れていて読める文字なんて数文字だったが。
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Tie(プロフ) - 初めまして。ateez目的で読み始めましたが、(地球滅亡の方と共に)とても好みの作品で1作目から何周もしています。もう更新されることは無いかもしれませんが、こんなに面白い作品を作ってくださりありがとうございました。楽しく読ませて頂きました。 (2022年9月3日 17時) (
レス) id: 031775e238 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - かまみのさん» 初めまして、お褒めの言葉をありがとうございます。更新やレスポンスにお時間が開いてしまいすみません。本編終了後にはもっとじっくり彼らとの小話も書いていきたいですね……！コメントありがとうございました！ (2020年10月10日 21時) (レス) id: 2ace97a462 (このIDを非表示/違反報告)
かまみの(プロフ) - めっちゃ面白い！NCT好きだから出てきて嬉しい (2020年9月2日 23時) (レス) id: 30d38f5d7d (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - オンマさん» 初めまして、温かいコメントをありがとうございます！最近忙しくて、前のように頻繁に更新できるかは分かりませんが頑張りますね！私もハマっているので同じ趣味の方がいらっしゃって嬉しいです^^ (2020年5月7日 1時) (レス) id: 959b48d95f (このIDを非表示/違反報告)
オンマ(プロフ) - はじめまして。 この話を見つけてイッキ読みしました^^ のめり込んでいます。 面白い。 頑張ってください。 私は、ATEEZにハマっています。 (2020年5月6日 21時) (レス) id: 51e1e6ee34 (このIDを非表示/違反報告)
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